mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

季節のたより

季節のたより55 ヤマユリ

絶滅せずに生きる 野草で最大の美しい花 ヤマユリの花は、ユリ科ユリ属の中では最も美しく芳香もある花です。おそらく日本の野草の中では最大の大きさの花でしょう。この花が、もし希少種であったなら、すでに絶滅している運命にあったでしょうが、その逞し…

季節のたより54 ツルアジサイ

野生のアジサイ 山地の樹木に挑むクライマー 梅雨の頃、雨にぬれて新緑が美しい森や林を歩くと、あちこちに白い花が目立ちます。そのなかで、樹木全体が真っ白に見えるほど、白い花を咲かせているものがありました。その樹木が花をつけているのではなく、樹…

季節のたより53 ギンリョウソウ

銀白の竜の姿 光合成をやめた森の植物 6月は梅雨の季節。雨上がりの日などに森や林を歩いていて、薄暗い林床で、キノコのような、草花のような、全身が真っ白なものに出会ってびっくりしたことはないでしょうか。 この不思議なものは、キノコではなく、日本…

季節のたより52 マイヅルソウ

葉の形は鶴が舞う羽の姿 赤い実は「いのち」の最期の輝き マイヅルソウの花と初めて出会ったのは中学生のときでした。 田舎の中学校で理科の教科担当をしてくれた若い男の先生は、よく私たち生徒をひきつれて故郷の山々を歩きまわってくれました。 いつもの…

季節のたより51 ケヤキ

四季をとおして美しい樹、 ケヤキは 「校庭に立つ先生」 5月の若葉が美しい季節になりました。かつてこどもたちと過ごした学校の校庭に、数本のケヤキの木が立っていました。生活科の時間には、低学年のこどもたちと校庭のまわりに咲く草花を探してよく散歩し…

季節のたより50 ホトケノザ

魅惑の唇花のしくみ 畑の土のバロメーター 暖かくなったので我が家の小さな菜園に野菜のタネをまこうとしたら、見慣れない草花がピンクの花を咲かせていました。よく見ると、ホトケノザでした。 台座のような葉から花をそっと引き抜き、根元をちょっと吸うと…

季節のたより49 タンポポ

こどもたちのなじみの花 授業で学ぶ「たんぽぽ」のひみつ 陽光を浴びて、タンポポが咲いています。野原やあぜ道はもちろん、石垣や道路のアスファルトのすきまからも顔をのぞかせています。幼いこどもがいちばん最初に名前を覚えて友だちになる花。それはた…

季節のたより48 ショウジョウバカマ

早春の雪割草 葉先から芽をだす分身の術 この花が咲き出すと、灰色の雑木林が急に明るく華やかになります。ショウジョウバカマは、カタクリやミスミソウと共に春を彩る早春の花。一般にミスミソウが雪割草と名づけられていますが、ショウジョウバカマも春の…

季節のたより47 シュンラン

早春のヴィーナス 野生のランの花 早春の雑木林で、まだ木々の芽吹きが始まらない林床に、細い濃緑の葉を広げて、その間にひっそりと花をのぞかせているのがシュンランです。シュンランは春に咲くランの花なので「春蘭」と書きます。開いたばかりのシュンラ…

季節のたより46 アオキ

ヨーロッパでは憧れの赤い実、花と実が一緒の春 いま、目の前にある赤い実が、とても珍しい植物のものだとしたら、たくさんの人がその実を見るために集まってくるでしょう。 ちょっと外に出かければどこにでも見られるアオキの赤い実ですが、ヨーロッパでは…

季節のたより45 モミ

日かげで成長できる葉や樹形 年月を重ねて森林に 堅雪のなかにすっくと立つのは、芽生えたばかりと思われるモミの幼木でした。 太古から、自然のままに森林更新を繰り返してきたモミの原生林。高さ40mにも達すると思われる巨木のモミが、冬空を突いて立ち…

季節のたより44 ヤブラン

万葉集の「山菅」の花 黒い実は裸の種子 冬の日差しに黒い実が光っています。たくさんついていた実は、鳥に食べられたのか、地面に落ちたのか、花茎にまばらについた実は、それでもまだ光沢を残しています。 この実は、夏のおわりから秋にかけ、小さな淡紫色…

季節のたより43 ナンテン

難を転じる薬用の葉や実 紅葉する常緑樹 小雪のなか、ナンテンが赤い実をたわわにつけて、冬の庭を彩っています。 校庭に雪が降ると、このナンテンで、低学年のこどもたちと雪ウサギを作って遊んだことを思い出します。新雪をそっと両手でかき集め、雪かたま…

季節のたより42 ナナカマド

白い花、羽状の葉、紅葉、赤い実が楽しめる樹木 ナナカマドの赤い実が似合うのは、雪の綿帽子をかぶった街路樹。特に北海道ではこのナナカマドを市町村の木と指定しているところが多く、美しい街路樹の街並みが見られます。 旭川に生まれた作家井上靖は、市…

季節のたより41 ヤツデ

天狗のハウチワのような葉、雄花が雌花へ変身 1年のうちで、陽のさす日が最も短い季節になりました。雑木林は、わずかに常緑広葉樹だけが暗い緑を残しています。多くの植物にとって試練のときですが、この季節を選んで凛然として咲いている花もあります。ヤ…

季節のたより40 ツルリンドウ

リンドウのようなつる植物、つややかな赤い実 晩秋の雑木林を歩いていると、すっかり花の消えてしまった林床に、ひときわ目を引く赤い実に出会いました。実はたて約1㎝あまり、楕円形でつやつやとして、まるで野におくルビーのように輝いています。ツルリン…

季節のたより39 ツワブキ

初冬を飾る庭の花 もとは海岸の岩場に咲く野草 晩秋から初冬にかけて庭園や庭の石垣の間に鮮やかな黄色い花が咲き出します。ツワブキの花です。ツワブキの花が咲き出すと、急に周りが明るく華やかになったような感じがしてきます。花のまわりを暖かな空気が…

季節のたより38 キッコウハグマ

寒露の頃に咲き出す 小さな野花 秋分を過ぎてから、いつしか日没が日に日に早くなってきました。朝の空気はしっとりと夜露に潤って少し冷たく感じられます。暦の上では二十四節気の一つで寒露の頃になると、雑木林や野原は本格的に秋が深まり、花の姿が少な…

季節のたより37 ツリバナ

清楚な花が 鮮やかな赤色の種子へと変身 普段は雑木林の樹木にまぎれて、とくに目立った特徴もなく今までまったく目立たなかった樹木が、年に一度だけ存在を主張するときがあります。それは花の季節か、実の季節に見られることですが、初秋の雑木林で吊り下…

季節のたより36 ミゾソバ

地上に咲く花と 土の中のもう一つの花 水田の稲穂が緑色から黄金色に変わり、収穫の時期を迎えています。この時期に田んぼのあぜ道や水辺などの湿ったところを歩くと、小さなピンク色の花が群生しているのを見かけます。ミゾソバの花です。 ピンクと白のグラ…

季節のたより35 ツリフネソウ

つり下がるユニークな花、飛び散る種子 ほの暗い林の中、小川のほとりで紅紫色の花が一面に咲いていました。この花を見ると夏の終わりを感じます。郊外学習で、こどもたちがこの花を見つけて、「金魚が泳いでいるよう」「ほら貝のようだ」「宇宙船がゆれてい…

季節のたより34 フシグロセンノウ

鮮やかな朱色、群れずに咲き誇る 野の花 夏から秋にかけて林道などを歩くと、下草の緑の中から鮮やかな朱色の花が目にとびこんでくることがあります。花の名はフシグロセンノウ。花の色は、他の野草に見られない色合いなので、いちど見たことがある人なら、…

季節のたより33 クサギ

葉は臭いけれど、花は芳香、実は青い宝石 8月になると、深緑の葉の上にピンクのつぼみと白い花が目立つクサギの花が咲き出します。クサギは、シソ科の低木で、北海道から沖縄まで分布、日当たりのよい山地に生育します。陽の当たる空き地などでもよく見かけ…

季節のたより32 ネジバナ

小さな野生ランの たくましく生きる知恵 近くの公園の芝生でおもしろい花を見つけました。細い花穂をすっくと伸ばし、下から上へとらせん状にかわいらしい淡紅色の花を咲かせています。ネジバナの花です。 芝生に咲いたネジバナ。最も身近に見られる野生ラン…

季節のたより31 オカトラノオ

草原にゆれる銀河 夏を告げる白い花 森や野原は、花の季節から緑の季節へと進んでいます。木々の緑は濃くなり、梅雨の時期は一層鮮やかです。梅雨あけの夏は、花を咲かせる野草の数が少なくなるのですが、その時期に咲き出すのが白い花穂のオカトラノオです…

季節のたより30 ホタルブクロ

ホタルの季節に咲く花、つりがね型の花のひみつ 自然公園の土手の草むらにホタルブクロがゆれていました。6月の梅雨入りの前後、ホタルが飛び交う季節になると、まるで申し合わせたかのように咲き出すのがホタルブクロです。 ホタルの飛び交う季節に咲き出…

季節のたより29 ヤマボウシ

新緑に似合う白い花、食べられる木の実 教室の窓から遠くの山々が見渡せる学校に勤務したことがありました。 初夏から梅雨期になると、山々が美しい緑におおわれます。その緑の中に、白い花が出番を待って咲き出します。ウワミズザクラ、ホオノキ、ミズキ、…

季節のたより28 ヒメシャガ

ガクも雌しべも花びらにして、雄しべを隠す花の知恵 5月後半に入って、若葉の緑がしだいに濃くなってきました。尾根筋に続く遊歩道を歩くと、木立の中を抜ける風が爽やかです。その風に運ばれてどこからか樹の花の香りがしてきます。足元には、四方に広がる…

季節のたより27 ハナイカダ

葉の上に花を咲かせる 珍しい植物 「花筏(はないかだ)」という美しい日本語があります。風に吹かれて散った桜の花びらが、水面に浮かび帯のように連なって流れゆくようすが、筏のように見えることから、その風情を花筏とよんでいます。 そしてもうひとつ、…

季節のたより26 ヒトリシズカ

花びらもガクもなく、白いブラシの花が舞う 「ひとりしずか」、口ずさむと心地よい響きのする名前です。この花と初めて出会ったのは、春の林の崖地の斜面でした。開いた4枚の葉の真ん中にぽつんと1つ白い花をつけて1本咲いていました。瞑想しているような…