mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

2016-01-01から1年間の記事一覧

年の終わりに

中村桂子さんの新春講演会でスタートした2016年。1年がかりになりましたが、講演記録のブックレットもできあがりました。 少しずつ若い先生方が参加するようになってきた3回のこくご講座~物語文の読み。国語以外にも拡げていきたいと考えています。 変わ…

12月26日 『憲法と君たち』を手に、想う

2016年も最終週に入った。年々、嫌なことが増えているような気がして、長生きしていても気が滅入る。「人間なのに」なのか、「人間だから」なのか・・・、私は後者のように思うようになってきている。こんな自分がなんとも寂しい、人を信じて終末になりたい…

憲法学の第一人者・樋口陽一さんが高校生と授業!

受講高校生を大募集! 皆さん参加ください 昨年は、樋口さんとの日程調整がつかず実現できなかった高校生公開授業。2年越しのラブコールに応えていただき、年明け1月28日(土)に、東北大学を会場に「憲法という人類の知恵」と題して授業をしてもらえる…

12月18日 重い言葉「日本に抵抗の文化ない」

このごろテレビを見る時間が長くなった。韓国の大統領問題が何日もつづき、なんだかよくわからないうちにカジノ法案が国会を通過し、つづいて日ロ首脳会談関係に番組はうつる。日ロ会談はだれがどれだけのことを知っているのかわからないが、なんかいいこと…

今年最後の『楽しく読む こくご講座』 報告

3回目となるこくご講座が、12月10日(土)に行われました。最初の45分は、国語の授業づくりで押さえておきたい大切なことのミニ講座をもち、その後、小学3年生の教材「モチモチの木」と、6年生教材「ヒロシマのうた」の授業づくりを行いました。 どちらの教…

手紙を、書くということ ~ 映画 セントラル・ステーション に寄せて ~

11月28日付けdiaryの最後に、「みなさんのうちにも郵便受けがあるでしょ?」と書いたものの、手紙らしい手紙はひさしくもらっていない。もらっていないというその事実に、今の私の生活と人と人との関係の有様がみえるともいえる。届くものといえば、毎日の新…

話題沸騰の映画 『この世界の片隅に』

先週末あたりから、次号センターつうしんの原稿が送られて集まってきています。「おすすめ映画」欄の執筆をお願いしたKさんからもメールで原稿が届けられました。メールには、800字では書きたいことも十分に書けなくて少し残念という主旨のことが書かれてい…

12月2日 「渋面」の 渋い思い出

私は山本周五郎の作品を好んで読む。描かれる人間がだれもかれも好きなのだ。 先日、行きつけの古本屋でまだ読んでいない全集未収録作品集1冊を買ってきて読んでいる。短編集だ。 その中の1編の中に、「ひどく渋面してるでねが、腹こでも痛めるだら薬でも…

師走に思う

今年のカレンダーも最後の1枚12月になってしまった。先月だけを振り返ってみても豊洲市場問題から始まって、アメリカの大統領選挙、福岡の道路の陥没、韓国の大統領問題、オリンピック会場問題と、テレビのニュースやワイドショーは、週毎にめまぐるしく動…

手紙、そして待つこと

しばらく前に買ったまま積ん読状態になっていた吉野弘さんのエッセイ集『詩の一歩手前で』を手に取る。目次の中にあった「手紙」というタイトルが目に留まった。そうそう何かの本でだったか? 吉野さんは送られてきた手紙を大事に保管されていたということを…

今年最後の 第3回こくご講座

ずいぶんと寒さが厳しくなってきました。みなさん、風邪などひいてませんか。 10月の第2回に引き続き、第3回のこくご講座を行います。 教科書に載っている物語教材をもとに、作品をどう読み、どうしたら子どもたちと楽しい授業をつくれるのか? 話題提供者…

11月20日 武者小路実篤の「人生論」に想う

今になっても「死んだ子の歳を数えている」と思われそうだから口に出すことは押さえているが、何年経っても、「~そして、人が どんなに しぜんに ささえられて いるかを おしえられて、みんなで どう 生きるかを かんがえながら 生きて いく。」を結びの文…

映画『リトル・ボーイ』 愛と勇気の物語のために吠えろ!

以前に「つうしん」の原稿をお願いしていたこともある清眞人さん(元 近畿大学教授)が、教育科学研究会の機関誌『教育』12月号(特集は、「反知性」社会と教育)に、「学生の世界認識と歴史を生きる苦痛と希望」と題した論稿を寄せている。 その冒頭で、少し…

おやじのせなか、おやじの存在

土曜の朝、新聞を読んでた我が家のよっちゃんが「これ、面白いよ」と切り抜きを寄こした。憲法学者の木村草太さんが「おやじのせなか」欄(11月11日付・朝日)に「ドン・ガバチョの歌『大事だ』」と題して、今は亡きお父さんのことを書いている。 木村さんの…

11月5日 子どもとどんな作品で向きあうか

「ぼくには、鼓の音が聞こえない!」 と言ったSさんの言葉と、その場の様子は何年経っても忘れない。 たくさんのことを教えていただいたKさんの卒業授業検討会は学校からそれほど離れていない小さい温泉宿でもたれた。 Kさんが授業で中学1年生に取りあげた作…

熱戦の日本シリーズの裏側に

プロ野球日本シリーズは、野球好きの私にとっては、連日のゲームの展開にテレビに釘付けの状態となった。優勝が決まった翌日の全国紙A新聞に、優勝に導いた監督やチームの育成方針に関する記事が掲載され、勝敗以上に興味深く読んだ。読まれた方も大勢いる…

10月23日

前回、「教師・三島孚滋雄」のまとめに四苦八苦していることを書いた。気は急くのだが資料不足は依然とつづき、未だにほとんど動けないでいる。 頭をかかえているうちに、かつて中村敏弘さんが「教育実践検討サークル」(国土社)の中に、刈田サークルの機関…

フォーラム・子どもの育ちと「食」 を開催します!

食べることは生きることであり、生きる営みとして日々繰り返されることです。 とりわけ子どもたちにとっては、からだの成長を支えるだけでなく、誰と、何を、どのように食べるかも、とても大切ではないでしょうか。 しかし、今日では雇用や働き方の多様化が…

10月12日 教師・三島孚滋雄 を追い求めて

今月初め、田中武雄さんが来仙、資料集めをつづけていた「教師・三島孚滋雄」のまとめについての話し合いをもった。3月まで一緒に歩いた、というより言い出しっぺでありリーダー役の野々垣さんが急に亡くなり、2人の仕事になってしまったのだ。田中さんはと…

実りの秋の こくご講座

10月に入り、朝夕はずいぶん涼しくなってきました。 好評だった「夏休み こくご講座」に引き続いて、秋も講座を開くことにしました。教科書に載っている物語教材をもとに、作品をどう読み、どうしたら子どもたちと楽しい授業をつくれるのか? 話題提供者の話…

河北新報「持論時論」に、春さんの投稿が載る

もっと早く紹介しようと思いながら遅くなってしまいました。(春)さんが河北新報の持論時論に投稿した文章が、9月11日に掲載されました。すでにお読みの方もおられると思いますが、多くの人に読んでほしいと思い、ここに載せることにしました。 タイトルは…

宮川先生から『接続』と「接続」

宮川さんの講演について書いたのと前後して、『接続』第2号が届いた。宮川さんが送ってくれたのだ。『接続』と対面するのは2度目。最初は、確か駅前ジュンク堂(震災前のイービンズに入っていたジュンク堂)の哲学・思想系の棚だったように記憶している。そ…

9月20日

先日、震災の後、戸倉小中学校が1年間過ごした元善王寺小学校に5年ぶりで行った。 人声はまったく聞こえないが校舎は以前のまま変わるところなく、2階正面ベランダに位置する「花と緑と歌声のあふれる学校」のスローガンの緑色もまったく色あせることなく…

映画『さとにきたらええやん』を みにきたらええやん

『さとにきたらええやん』、関西弁独特の言葉の軽みに誘われて映画館に行った。チャリンコにまたがり商店街を右に左にのらりくらり走っていく学ラン姿の中学生ジョウ。その後ろ姿を彼の目線でカメラが追う。ラッパーSHINGO西成の「諸先輩方からのお言葉」が…

「夏休み こくご講座」宮川健郎さん講演に触発されて

「夏休み こくご講座」で、講師の宮川健郎さんは、戦後児童文学の成立から今日までを、一つは「語り手」の発見とその展開という点から、もう一つは、散文的な言葉を用い社会と子どもを描くようになった児童文学が、日本社会の変化と子どもが抱える困難の複雑化…

9月5日

20日前の朝日歌壇、永田和宏選第2首は、 問いにいつも答えがあって◯✕をつけてもらえた少年時代 詠み手は、水谷実穂さんという方。 歌を読んだ。辞めて20年も経つというのに、またまた数え切れない教室の様子が私におそいかかってきた。そして、しばらく私の…

身の引き方を思う

昨日は休日だったため、朝の報道番組をのんびりとくつろぎながら見ていた。A放送局のコメンテーターT氏が、先日、この日記で春さんも書いていたむのたけじの生涯をまとめて話すコーナーが飛び込んできた。 先の戦争中、新聞記者だったむのさんが、自分の報…

夏休み こくご講座(宮川健郎さん講演) 感想など

8月11日、お盆前の山の日に行われた「夏休み こくご講座」。午前中は宮川健郎さんの講演、午後は教科書教材の「サーカスのライオン」、「ごんぎつね」の話し合いを持ちました。参加者は40名以上となり、午後の話し合いも含め充実した一日となりました。 参加い…

8月25日

河北新報22日1面、「南米初の祭典 きょう閉幕」の横見だしの下半分は、「むのたけじさん死去」との縦見出しに「101歳 反戦ジャーナリスト」のサブタイトルがついていた。しかも、下段のコラム「河北春秋」もまたむのさんをとりあげ、「はじめにおわりがある…

8月1日

「図書」8月号の「数学を学び直す人びと」をたいへんおもしろく読み、自分の過去をもいろいろ思い出させてもらった。 筆者の中村滋さんは、理系の大学で長年数学を担当し、定年後、私立総合大学の非常勤講師になった。そこでは、これまで当たり前だった数学…