mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

西からの風29(葦のそよぎ・泳ぐ快楽)

少し間が空いてしまった。7月23日の朝日新聞「耕論」は、「水泳授業は不要不急か」と題し、「泳ぎを学ぶ機会は義務教育に必須なのか、泳がなくてもいいのか」と問いかけ、3人の識者がこれに応えた。そのなかの一人は、長く宮城の中学校で体育を教え、現…

季節のたより57 クズ

旺盛な生命力 秋の七草 根は葛粉や漢方薬に 夏の盛りになると野や山に勢いよく生い茂るクズの葉が目につきます。 クズは「葛」と書きます。これは中国での漢字をあてたもの。クズの名は、日本がまだ大和国と呼ばれた時代に、奈良県の国栖(くず)地方の人が…

季節のたより56 マツヨイグサ

夕暮れに咲き出す花 目の前で見られる開花の瞬間 夕暮れが訪れると一斉に咲き出す黄色い花を見かけるようになりました。この花を見ると幼い頃の遠い記憶が浮かんできます。 夕暮れ、私は黄色い花が一面に咲く野原に立っていました。花のつぼみを眺めていたら…

「雨にも負けず」と「黒い雨」と「教科書改ざん」

他界した親父が私のノートをみて議論になったことがある。それは宮澤賢治の「雨ニモマケズ」をノートに書き写していた5年生の時のことである。 雨ニモマケズ/風ニモマケズ/雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ/丈夫ナカラダヲモチ/慾ハナク/決シテ瞋ラズ/イツモ…

夜空に瞬く、❝すばる❞ のように(下)

すばる教育研究所の動きはエネルギッシュで、とても、退職教師の趣味などというものではなかった。 開設の翌年の1978年11月5日に、第2回の総会と研究発表会にあわせて、「国語教育研究」の復刻刊行記念のつどいをもつ。「国語教育研究」は、菊地譲主…

電通の罠にはまらない『新しい生活様式』を

コロナ騒動の中で理解困難なことがあまりにも多く、嫌気がさしているこの頃。とりわけこの国が推進している政策のあまりにものお粗末さには、怒りを越え、開いた口がふさがらない日々が続いている。 いつ届くのか、やっと届いたと思ったら異物が混入していた…

夜空に瞬く、❝すばる❞ のように(上)

雨が降りつづく。無理に家に閉じ込められた気分でぼんやりとしている時間が多くなると、しぜんに過ぎた日のこと、お世話になった方々とのいろんな場が浮かんでくる。 立ち上がって、書棚から「養賢堂からの出発」を取り出す。大村榮先生が1986年に「ぎょ…

所長の達郎さんは、なんと国際竹とんぼ協会会長!

所長の達郎さん、就任早々コロナウイルスの感染拡大で思うように仕事もできず、やきもきしながらの船出でした。それでも6月からは徐々に取り組みができるようになり、仕事のリズムもつかめてきているようです。 そんな達郎さん、実はセンター所長としての顔…

コロナ禍での学校を考えよう!~ オンライン学習会を開催 ~

首都圏を中心にコロナウイルスの感染が再び拡大しつつありますが、「withコロナ」のなか、どのように文化的な企画や学習会を持つことができるのか、それぞれに模索が続いています。 例年であれば、夏休みに入った7月最後の土日は、宮城県教職員組合の「明日…

季節のたより55 ヤマユリ

絶滅せずに生きる 野草で最大の美しい花 ヤマユリの花は、ユリ科ユリ属の中では最も美しく芳香もある花です。おそらく日本の野草の中では最大の大きさの花でしょう。この花が、もし希少種であったなら、すでに絶滅している運命にあったでしょうが、その逞し…

映画『ワンダーウォール』の彼方に

コロナウイルス感染拡大後、ずっと映画を観に行ってなかった。思えば、最後に行ったのは2月の「さよならテレビ」。いつ行けるようになるだろうとずっと思っていたが、先日4カ月ぶりにやっと足を運ぶことができた。観てきたのは映画「ワンダーウォール」。 …

『達ちゃん先生』からの応援歌 ~ 子どもにとって発問は? ~

学校が再開して2か月。授業づくりは、様々な困難があるでしょう。3~5月分の授業の遅れを取り戻しながら、新年度の授業を進めなければいけない苦労。しかし、焦らず、子どもの様子をよく見て、声を聴いて、気持ちを考えて、授業を進めていきたいものです。…

トルストイ流にみると・・・

歳を重ねるということは、過ぎ去ったことにこんなにも責められるものか。 誰もがそうだということではない。いつの間にか、過ぎた出来事が時をかまわず浮かんでくるので、つい「歳のせい」と思ってしまう自分のことだ。 それも、このごろやたら浮かんでくる…

子どもは、いつ「大人」になるんだろう・・・Part2

子どもは、いつ「大人」になるのか?第2弾。今回は、『子どもの難問』を企画した張本人である野矢茂樹さんです。 野矢さんは、本書の《はじめに》で、自分は「子どもの口を借りて、大人の哲学者たちを困らせてやろう。そう思ったのです」と言っています。本…

西からの風28(葦のそよぎ・雨の連休)

五月の連休に、ぼくは二人のこどもを連れて、テントを肩にかつぎ南紀をまわった。紀伊半島を勝浦まで列車で南下し、そこから捕鯨の発祥地として有名な太地に遊覧船で渡り、そこでキャンプをはった。つぎの日、新宮から十津川をバスでさかのぼり熊野本宮に宿…

季節のたより54 ツルアジサイ

野生のアジサイ 山地の樹木に挑むクライマー 梅雨の頃、雨にぬれて新緑が美しい森や林を歩くと、あちこちに白い花が目立ちます。そのなかで、樹木全体が真っ白に見えるほど、白い花を咲かせているものがありました。その樹木が花をつけているのではなく、樹…

子どもは、いつ「大人」になるんだろう・・・

仁さんのDiary「大人たちよ、『内なる子供』の声に耳を澄まして」を読みながら、この話の前提の「大人」とは、これ如何に? そんな思いが湧いてきて本棚から取り出したのは、野矢茂樹さんが編者となっている『子どもの難問』(中央公論新社)だ。 哲学者が、…

『達ちゃん先生』からの応援歌~コロナな日々をゆく~

3か月ぶりの学校、子どもたちはどんな思いでこの休みを過ごし、どんな願いを胸に抱いて学校に通うだろう。私は、突然の休校後3月で再任用の終了。新年度の準備には立ち会えない残念さを感じながら、学校現場を去りました。 もし私が学校にいて学級担任だっ…

季節のたより53 ギンリョウソウ

銀白の竜の姿 光合成をやめた森の植物 6月は梅雨の季節。雨上がりの日などに森や林を歩いていて、薄暗い林床で、キノコのような、草花のような、全身が真っ白なものに出会ってびっくりしたことはないでしょうか。 この不思議なものは、キノコではなく、日本…

大人たちよ、「内なる子供」の声に耳を澄まして

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、 遊ぶ子供の声きけば、我が身さへこそ動(ゆる)がるれ。 よく知られた平安時代末期の歌謡集『梁塵秘抄』(巻二)に出てくる「今様」。蛇足ですが、「今様」は平安時代の七五調の四句で詠うはやり歌です。 勉…

百聞は一見に如かず、教科書展示会に行ってみませんか!

中学校の教科書採択に向け、 教科書展示会がおこなわれます。 この夏から秋にかけて、全国各地の教育委員会で、来年度から中学生たちが使う教科書の採択が行われます。その教育委員会での協議の前に、教科書検定を通った全ての教科書の展示会が県内各地で、…

新しい生活様式、わかるけどしんどいなァ

朝のテレビでは、東京の小池都知事が夜の仕事を中心に感染者が増えていることを話していた。仕事をしている人たちにしてみれば、生きていくためにはそうせざるを得ない、仕方のないことなのだろう。この間のさまざまな状況をみれば、それに伴うリスクもわか…

センターも活動再開へ、エンジン全開!

6月に入って、県内の学校もほぼ始まりました(またいつ何時、休業になるとも限らりませんが)。センターも5月後半から通常の勤務形態に戻っての仕事となっています。 5月末の事務局会議では、4月以降中止となっていた定例の学習会を6月から様子を見なが…

宮城の教師たちがつくった『生活科教科書』誕生秘話

~『どうして そうなの』『ほんとうは どうなの』~ 「季節のたより 51 ケヤキ」のなかで、ほとんどの学校から歯牙にもかけられなかった生活科の教科書『どうして そうなの』『ほんとうは どうなの』を取り上げている。30年も前のことだがうれしい。千葉…

よっちゃんと、コロナな日々のウン探し

春さんにとって猫のリクは大事な家族のような存在だろうが、いまわが家にとって、ネコはちょっとした困りごとのタネになっている。そう、ネコの糞尿被害というやつだ。我が家の庭にときどき糞をして行く。私は花粉症のせいか鼻があまり利かないからそれほど…

コロナな日々に、負けずにトライ!

河北新報の持論時論に掲載されなかったと悔しがっていた瀬成田実さん、それならDiaryに載せるのはどう?と声をかけて掲載しましたが・・・。やっぱり瀬成田さんは、人知れず諦めないんだなあ。何度でもトライ!なんですね。知らぬ間に、次の投稿を送っていたと…

季節のたより52 マイヅルソウ

葉の形は鶴が舞う羽の姿 赤い実は「いのち」の最期の輝き マイヅルソウの花と初めて出会ったのは中学生のときでした。 田舎の中学校で理科の教科担当をしてくれた若い男の先生は、よく私たち生徒をひきつれて故郷の山々を歩きまわってくれました。 いつもの…

コロナな日々の、小さな喜び

新型コロナウィルスの感染拡大のなか不自由な生活が続いている。研究センターも同様だ。例年なら《こんなことをしよう、あんなことをやろう》と新たな取り組みや企画が動き出している時期だが、4月以降さまざまな学習会や企画、あるいは会議が中止となって…

清眞人さんの新刊書紹介 ~『高橋和巳論』~

毎回、読み応えのある文章をdiaryに寄せてくれる清さん。ときに歯が立たず何回も読みなおすこともある。専門の哲学はもちろん、文学に関わっての著書も出されている。2010年に思潮社から『三島由紀夫におけるニーチェ』を、2016年には藤原書店から『ドストエ…

西からの風27 ~私の遊歩手帖11~

『ゴッホの手紙』とやっと出会う4 小林秀雄の『ゴッホの手紙』への寄り道遊歩の報告をいささか記そう。 同書は、次の彼自身のゴッホ経験、ある日新聞社主催の「泰西名画展覧会」に出かけ、ゴッホが自殺直前に描いたといわれる「「カラスの群れ飛ぶ麦畑」の…