mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

GW初日、地下鉄妄想列車が行く

 diaryに書いたように、昨日は朝から奈良岡朋子さんを追悼したドキュメンタリー番組をみて、充実した一日の始まりを感じた。その幸先よい気持ちをそのままに仕事場に向かった。

 4月に入ってからのこの1か月は、年度が替わり学校も新学期で、いつもの地下鉄も新たな常客(乗客)を迎えて、通勤時間帯は満員になる。ところが昨日は、GW初日の土曜日、うって変わって車内は静かですいていて、座席もところどころ空いている。普段は坐ることなど鼻から考えていないが、空いているなら話は別だ。さっそく腰かけた。

 子どもの時から、まわりの人が何かやっているのを見るのが好きだった。人に興味があるのだ。座席に腰かけ落ち着いて目を上げると、通路を挟んだ向かいのロングシートの真ん前の席には、20歳前後のメガネをかけたやさしそうな青年。彼も含め、みんなスマホの画面に夢中。だけど彼だけは、ちょっとまわりとは違う。彼は髪型が気になるらしく、自分のスマホを鏡がわりにして一生懸命に手櫛で髪をいじっている。私から見ると、まったく問題ない。髪は乱れていないように思えるのだが、彼は夢中になって何度も何度も髪を整えている。彼は夢中で、まわりのことはまったく眼中にない。

 そのうち私のなかの妄想列車が走り始めた。きっと彼は、デートにちがいない。それで昨夜は、デートのことをあれこれ考えて眠れず、朝寝坊。慌てて髪のセットもそぞろに家を飛び出した。地下鉄に飛び乗り、ほっと一息ついたら、家を出る前に髪を整えてなかったことに気がついた。そんなところかなあ?などと、まるで寅さんのように勝手なことを勝手に思っているうちに、あっという間に降車駅についてしまった。

 その後、青年がどんなデート? いや一日を実際に過ごしたのかは、もちろんあずかり知らないが、GW初日が、彼にとってよい日であることを思いながら地下鉄を後にした。( キヨ )