mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

教育講演会「子どもたちと平和について考える」報告

 1月21日(土)藤田康郎さんを講師に、上記タイトルの新春教育講演会を開催しました。

 ロシアによるウクライナ侵略からもうすぐ1年が経とうとしています。このことに関わって、昨年、県内のある高校の先生が「以前であれば、このような事態が起きれば高校現場から何らかのアクションなり取り組みがあった。今回はそういう動きが聞こえてこない、見えてこないのが残念だ」との話がありました。そのことが、ずっと頭の片隅にこびりついていました。それだけに多くの先生方が参加してくれるといいなあと思っていたのですが、そうはうまくいかないものですねえ。この日は、先生たちの他の会議などとぶつかっていたこともあり、参加者が少なく残念でした。
 参加してくれた先生からは、内容がよかっただけに宣伝の仕方など工夫する必要があるとの話もいただきました。センターの今後の課題として考えていきたいと思います。

 講演は、とてもよかったです(自画自賛で恐縮です)。レジュメと資料あわせて50ページを超えるという、それを見ただけでもわかる充実した内容でした。授業をしての子どもの感想や、和光小学校の教育を取り上げた映画「あこがれの空の下」の一部を映しながら、藤田さんと子どもたちとの日々の取り組みを報告してくれました。
 話を聞きながら、まさに教育実践報告だなと思いました。と同時に、このような教育実践から学ぶ取り組みが、近年少なくなってきているようにも感じました。

  
 以下は、参加者の感想の一部です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
★子どもの疑問から、思いから始まる流れが、あたりまえでありながら新鮮だった。この前、研究授業「かさこじぞう」があったが、事後の話し合いでも、教師が立てた本時のめあてに対してどう近づけたらよいかの意見が出された。昔話であるので、未体験のことも多く、それに対してタブレットで見せる、動画で見せるが多くあがった。範読も「よいCD、ユーチューブがあるから、それを見せるのがよい」との意見もあった。便利な面、画像から受けるわかりやすさもあるが・・・それだけ。それが最善か?
 平和教育について、低学年の中でも、公立学校の制限ある教材でも積み重ねはできるということを今日のお話で思い出させてもらいました。

★一つの正解ではなく、問いを大切にすること、そのために疑問を大切にすること。こどもの素朴な疑問は本質を見つける糸口ですね。

★すぐれた実践報告を聞かせていただきました。何よりも子どもの感想、大人顔負けの考え深い主張がされていて、すばらしいと思いました。先生の教育に対する思い、子どもの自主性を大事にする姿勢に、教育はこうあらねばと思いました。
 どの子も考える力、のびる力はもっているので、日本の教育が子どもを大切に、自主性を重んじるものであってほしいと思います。

★話を聞きながら、これは“自主編成”というもので、現場では“死語”になっているなあと感じた。自分ではそういうことをするのは当たり前の感覚を持っているが、今担任している6年生に今の社会をどう考えさせるのか、戦争のことも含めて、できていないなあと改めて思った。残り2ヶ月だが、主任なので、学年総合として現実の社会と向き合う学習をつくっていきたい。

★先生方や藤田先生が、沖縄のことを一緒に考えて行こうという熱意が伝わってきました。結論を押しつけるのではなく、討論しながら、各自が考え、それを認めようとする学校の姿がいいなと思います。公立学校の教師には言われたとおりやる人が求められていて、考える教師はあまり見られなくなりました。「夢見る小学校」も私立。子どもの自主性で学校を動かしているのは私立なのかもしれません。残念ですが。
 「在日大使館への手紙とその後」のドキュメンタリー番組を作ってもらいたいくらい驚きました。その発想に「ブラボー!」です。

★授業の様子に、また沖縄の学びのカリキュラムに本当に驚き感動しました。学校で学ぶということは、仲間と一緒に疑問を問い、学び合う時間であり、こうした子どもたちが、問いを持ち続け、社会の主人公になっていくんだなあと改めて思いました。