mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

皆既月食をみながら想う


                  月の左下の小さな点のように見えるのが、欠ける前の天王星

 昨夜は『皆既月食』。その上、同時に442年ぶりの惑星食となる天王星も月に隠れる『天王星食』も見られるということで、テレビなどでも大きく取り上げられていました。久しぶりに天王星という名を聞き、「水・金・地・火・木・土・天・海・冥」を思い出しました。「水・金・地・火・木・・・」といえば、現在30才以上の方なら、太陽系の惑星を太陽に近い方から語呂合わせで暗記した記憶があるに違いありません。2006年まで太陽系の第9惑星として冥王星が中学校3年の教科書にも掲載されていたからです。

 今朝、分野別に切り取っていた古いスクラップを取り出して当時の切り抜きを探しました。見つけたのが次の記事です。
 冥王星がひとつ格を下げた「準惑星」という位置づけになっているのは一体なぜか?というタイトルの記事です。簡単に整理すると、まず、惑星の定義です。太陽系に属する「惑星」という肩書きを得るための条件は主に3つ。「太陽の周囲を公転していること」「十分な重力と質量があり丸い形をしていること」「軌道の周辺に類似した大きな天体が存在しておらず圧倒的な存在感があること」です。

 ところが冥王星は条件の3つめに関して論争が巻き起こりました。2005年に、冥王星よりも大きくて太陽に近い場所にある「エリス」という天体が軌道の近くに発見された。このことがきっかけで太陽系惑星の明確な基準を見直すことになり、エリスとともに「準惑星」に分類されることになった、というものです。

 2006年当時、私は6年生の担任。理科では『太陽と月』の単元があり、月の満ち欠けや日食・月食についての学習後、この新聞記事を紹介しました。そして、こどもたちと、星までの距離や大きさ・質量などがどうして分かるんだろうね? と議論したことや、教科書に書かれていることはすべて真実とは限らないこと。春に社会科の歴史の学習で、三内丸山遺跡を学びながら縄文時代の歴史が変わったことを学んだこどもたちは、「三内丸山と同じだ」と自然科学でも新しい事実が見つかることがあることをスムーズに受け入れたことを思い出しました。

 話はまた昨夜のことにもどります。家にある一番大きな双眼鏡で初めて天王星をみた興奮で、なかなか寝付けず、床の中で私と星の出会いについて考えました。こんなことがなければ一生、天王星を見ることなどなかっただろうなあと思ったからです。
 最初に思い出したのは、小学校低学年の頃、家に風呂場をつくる間、近所の銭湯の帰り道に、立ち止まりながら親父から星座の話や星の名前を教えてもらったこと。次は4年生のとき、皆既日食があり、ガラスにろうそくの火をあてて煤で曇らせ、それを手にして太陽の欠けていくのを観察したこと。そして高学年になって、夕方、日暮れ時に宵の明星である一番星の金星を見つけたこと。そして明けの明星も見たくなり早起きしたこと。さらに火星人? がでている絵本を読んで赤い火星を探したこと。さらにさらに当時西公園にあった「仙台市天文台」に行って、望遠鏡で土星の輪をみせてもらったことなどが、走馬燈のように目に浮かんできたのでした。

 そして名前だけ知っていた天王星を、この年齢になって初めて見ることができた興奮は、それは針の穴のように小さな大きさでしたが、すべて今回の皆既月食のおかげだなあと感謝するのでした。と同時に、今、この地球が緑を失い、美しさを失っていくことに悲しさがあふれてくるのでした。

 またまた話は飛躍しますが、このセンターダイアリーについて考えました。現在、書き手は春さん、千さん、キヨさん、正さん、教育相談センターの瀬成田さん、県外から清眞人さん、昨年から多賀城の藤原さん、そして私が入り8名。「水・金・地・火・木・土・天・海・冥」にならって9名に、いやいやさらにセンターの惑星がどんどん増えると良いなあと願っています。日常の出来事や考えたことなど、センターまでメールで原稿を届けてください。<仁>