mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

台風19号の被害を受けた丸森へ(その1)

 Diaryに、お遍路紀行を書いてくれた正さんの故郷は丸森。10月の台風19号で大きな被害が出た。それ以来、週末ともなると実家の丸森に行き、復旧の手伝いをしている。新聞やテレビでも取り上げられてはいるが、被害状況の深刻さと報道のあり様には大きな落差を感じたりもし、もどかしい思いもしているようだ。
 正さんに復旧作業の様子など、今の故郷丸森を伝えてもらった。
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◆10月13日(日)
 やっと台風がいったかとTVをつけると、丸森が全国ネットで報道されていた。びっくりして実家に電話するも全く繋がらない。メールで全員無事を確認。しかし、前庭が崩落しているとのこと。すぐにでも行きたかったが、至る所で通行止めになっている様子だったので、この日は動かない方がいいと判断。

◆10月14日(月)
 まずは幹線道路を行った方がいいと思い、村田まで高速道路を使い、大河原の4号線に出て生協を左折。
 その道は「産直あぐりっと」に向かう一本道。そこから右折して丸森までの農免道路を使おうと思った。

 産直に向かう最後の信号を渡るとすぐに通行止め。もちろん冠水だ。Uターンして信号を左に曲がり、手代木沼から西に延びる道路に出ることにした。しかしほどなく、冠水した道路にぶつかる。

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   道路は写真下側に通っている。道路冠水部分は10mほど

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  上の写真と同じ場所から(10月27日に撮影)

  何台かはUターンし、何台かはじゃぶじゃぶと渡っていく。迷ったあげくおいらもじゃぶじゃぶと渡る。

 裏道を通りながら、やっと農免道路に出た。ところが、小田簡易郵便局近くの信号から先は通行止め。冠水だ。郵便局側に左折するとそっちも通行止め。やむなく来た道を戻り、角田の町の方に向かっていそうな細い道に入り、何とか113号線に出た。角田から丸森にはすいすいと行くことができた。でも、対向車線は館山から角田まで渋滞していた。未だかつて見たことのない渋滞だった。帰りはこの中に突入するのかと思うと、気が重い。
 報道の中継基地になっていた新丸森橋は自衛隊の救援車や救急車がひっきりなしに通っていた。ただ事ではない状況に動揺するばかり。右折はできないが直進には何の影響も無かった。

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    実家のある地域(羽生地区)の道路

 14日はがれきや大木が道路を覆い、羽生地区の道路は車一台がようやく通れる状態だった。上の写真は3週間後ぐらいのもの。この日は、家族の顔を見るだけで精一杯だった。

◆10月20日(日)復旧の手伝いへ ①
 実家のある部落で一番の被害を受けたFさん宅に息子と共に出向いた。
 生活道路から母屋まで30mほどの通路があるが2,30cmの泥に覆われているので、まずは軽トラが入れるようにする。

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  写真左端に見える小型の重機で、まずは道路の確保

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  1階天井まで泥水に浸かった生活品をとりあえず外に運ぶ

「何から手をつけていいか分からない」と言うFさんの指示で、捨てる物を確認。昭和30年代から集めてきたマンガ本もゴミ袋に詰めることに。額に入った写真までも「もういいや」と外に出す。天災とは言え、生活の記憶がにじんだ品々を「ゴミ」同様に扱うのは何ともやるせない。

◆10月27日(日)復旧の手伝いへ ②
 ボランテイアの依頼はしているそうだが、小さな部落にまでは手が届かないとのこと。この日はFさんも含めて4人。息子さんは、ここでは生活できないということで角田市に場所を借り、濡れなかった生活品を運んでいた。手がいくらあっても足りない。

 この日は、おじいちゃんの部屋として使っていた離れの全てを運び出した。今は物置として使っていたところ。何もかも泥まみれで散乱している。中でも重かったのは、ふとん。ふとんというより水を持ち上げる感じ。押し入れの上段にあった衣装ケースを引っ張り出そうとしたら、びくともしない。たっぷり水が詰まっていた。さらに重かったのは畳。4人で持ち上げるが、何せ泥まみれなので、手が滑り力が入らない。軽トラを近くまで寄せているが、そこがまた泥なので足下も定かでない。4,5枚積んだところで、軽トラが壊れそうだった。

 個人的に手伝いに来た自衛隊の方が、折りたたんだ脚立を畳の下に入れて運ぶやり方を教えてくれた。これでだいぶ楽になるが、それでも汗だく、泥まみれ。水道が出ないのが辛い。写真など撮る余裕は全くなかった。