mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

第3回『道徳なやんでるたーる』報告

 1回目、2回目と多くの方に参加いただきましたが、平日の水曜・夜の開催ともなると毎回参加というのはなかなか至難です。先生方もいろいろ予定というものがあります。3回目の今回は参加者がぐっと減るかも? と心配しましたが、黒澤明監督の「七人の侍」を超える、「八人のナヤンデルタール」が集まりました。

 前回の話し合いを踏まえて、引き続きKさんの「ともだちやもんな、ぼくら」の授業案検討を行いました。授業案は、「ともだちやもんな、ぼくら」の12行目までのプリントを用意して子どもたちには提示。その際、題名は明示しない。そこまでの内容を踏まえて、転んだヒデトシをおいて逃げてきてしまったぼくとマナブが、その後どうするか? をみんなで話し合うというもの。

 今回の検討では、以下のような話し合いがなされました。その一部です。

◆授業は、導入で教材の12行目までを読み、その後、子どもたちと具体的な話し合いに入っていく。そう考えると12行目までの内容(状況)をイメージ豊かにきちんと子どもたちに理解させることが重要じゃないかな。

◆そのためには子どもたちと対話しながら、黒板にカブトムシを捕まえに登る「木」や、登場人物の「名前の短冊」などを使って、視覚的におさえていくとよいのではないか。

◆ぼくとマナブが逃げてきた後の行動を考えるときに、かみなりじいさんの「こわさ、おそろしさ」が、子どもたち全員のものになるといいね。

◆ぼくとマナブが逃げてきた後どうするか、ワークシートに書かせるとあるけど、書かせないで最初から子どもに言わせてはダメかな?

◆2年生のこの時期だし、教師がワークシートに目を通して確認しながら丸をつけたり声をかけたりして、まずは子どもたち一人ひとりが安心して自信を持って発言できるようにしたいと思っている。

◆いずれ丸がなくても、自分の思ったことを自分の言葉で言えるようになるといいな。

◆最後の12行目の「だんだんヒデトシのことが気になってきた」があると、子どもたちは「もどる」という意見の方に、ぐっと引っ張られることにならないかな。

◆その前のぼくとマナブの二人の会話「つかまったんやろか」や、「おこられているかもしれんな」のところまででもよいかもしれないよ。

◆二人の会話の部分は、気になって心配している心情だけでなく、《あんなところで転んで仕方ないやつだ》と迷惑がっている、あるいはあまり気にかけていないというようにも読めるかな。

◆子どもたちがワークシートに書いたものを発表するときには、その子の発言の背後にある思いや考えを引き出すような声がけを教師がするようにした方がよいのでは。などなど

 3回連続の『道徳なやんでるたーる』、とても楽しかったです。会は校内研究をするというKさんの授業案検討を中心に進みましたが、とってもいいなあ~と思ったのは、Kさんの授業案検討のみに終わらなかったことです。学習会に参加してくれた先生方が、話し合いの中で出された考えや方法をご自身の道徳の授業でそれぞれに試み、そして次の会でやってみての感想や実態をいろいろ話してくれました。ここで話し合ったことがみんなの中に共有され広がっていっている、とても素敵なことだなと感じました。学習会は、ややもするとその道の大家や先輩の話を聞かせてもらう、教えてもらうとなりがちです。《教える》ー《教えられる》という関係性でない、ともに学び考え合う関係性が、『なやんでるたーる』にはあったように思います。

 さてKさんの実際の授業は7月中に行われるとのこと、楽しみです。どんな授業になったか、改めてKさんに話をしてもらい、そしてみんなで交流する場をもちたいと思っています。日程は決まり次第、お知らせいたします。乞うご期待下さい。(キヨ)