mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

部活はやりがいあるけれど・・・

 「こんなに水がおいしいと感じたの生まれて初めてです!」一年生が校庭の水道の蛇口から水を飲みながら嬉しそうに言いました。

 中学校の男子バスケ部顧問をしていた時、入部希望が殺到し全体で50名を超えたことがありました。小学校の授業でバスケの楽しさを知ったのが理由とのこと。他の部の多くは部員不足で、競技によってはチームも組めない状況でした。バスケ部の試合に登録できる人数は15名だけです。部員が少ない他の部なら、試合出場のチャンスもたくさんあります。バスケ部の練習がきついことがわかれば、そのうち自然と他の部に移るだろう。そんなふうに考えていました。

 ある日のことでした。練習に一区切りつけ「ゆっくり休んで水をたくさん補給しろよ!」と休憩を取りました。汗だくで蛇口に群がる子どもたちに「どうだ、バスケはきついだろう?」と聞いたところ、生徒の一人から出たのが冒頭の言葉です。他の子どもたちも「バスケ頑張ります!」と目を輝かせています。私は皆を抱きしめたくなる思いでした。そこから大所帯での部活が始まりました。

 「勝利至上」でバスケに取り組んできた教頭からは、「これじゃ勝てませんね」とあきれられましたが、練習を二部制にしたり、全員を試合に出すためにひとり2分で順番に出場させたりと様々な工夫をしながら取り組みました。大会では勝てませんでしたが、試合のたびに大勢の保護者が応援に駆けつけ生徒たちに声援を送るってくれました。生徒たちみんなで取り組み、保護者も一緒になって楽しめる部活に《部活本来の姿》をみた気がしました。

 部活は、確かにやりがいがありました。それでも・・・休みも家庭生活に費やす時間も奪われる今の部活のあり方を、若い先生たちにそのまま引き継いではいけないとも思っています。生徒たちの思いや声も受け止めながら、一刻も早く働きやすい職場にしていくことが求められています。(エンドウ)