mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

教育Café、やっぱりみんなで話すのは「いいね!」

 2月末に行われた『教育Café』。準備に奔走していたのはdiaryに「四国のお遍路紀行」を書いてくれていた正さんです。当日は、チラシにあったように「子どもの思い、親の心、教師の願い」などが率直に語られたようです。主催の市民の会ニュース(正さん作成)をもとに、当日の様子をちょっと紹介します。

 はじめに3人のお子さんのいるお母さんと先生に、それぞれ子どもたちの様子を見て感じていることや思っていることなどをざっくばらんに話してもらいました。お母さんからは、次のような思いや意見が語られました。

◆子どもの口から、先生に「いつ相談していいか分からない」と言われる。先生は、忙しくて子どもの様子を感じる暇がないのだと思う。でも、子どもの変化に気付いてほしい。
◆1年生なのに5時間授業の日が多いと感じる。ゆったり、のびのびと過ごさせたい。
◆クロームブックを毎日持ち帰ってくるが、とても重そう。それに日本語もままならない1年生にローマ字入力はどうなのだろう。
◆先生を増やして、勉強だけでなく、遊ぶ時間やふれあう時間も大事にしてほしい。

 一方、先生からは、

◆言い訳になってしまうのですがと恐縮しながら、休み時間は連絡帳の返事書き、宿題の丸つけ、コロナ禍での体温測定など、子どもたちが帰るまでに済ませなくてはならないことがたくさんあって、話す時間が取れないのが現実。お話し好きの子はどんどん来てくれるのでいいが、なかなか寄ってこられない子には申し訳なく感じる。
◆子どもたちは、クロームブックを使うのを楽しみにしている。でも中・高学年は時間割がきっちり決まっていて練習する時間がもてなかったり、また機械の不具合やトラブルの対応に追われてしまう。教員の研修が追い付かない状況もある。

と、お母さんの発言を受け止めながら、今の教師や学校の置かれている状況が語られました。他方で、先生として気になることとして、

◆子どもたちの「〇〇はむり!」「絶対うまくいかない!」という声がとても多い。失敗の経験が少ないのではと感じる。
◆子どもたちとの学校生活は楽しい。「先生できたよ!」という喜びをみんなと共有している。学級懇談等で保護者とも共有できている。しかし、この間保護者を交えての行事が極端に少なかったので、どのように親とつながっていったらいいのか悩んでいる。

などの意見や悩みも述べられました。

  

 その後は、5つのグループに分かれて1時間ほど話し合いました。話し合うなかで緊張もほぐれ、次第にどのグループも話に火がついてきたようです。終了の合図を送ってもなかなか話が終わりませんでした。対面での対話は、やっぱりオンラインとは違うと改めて感じました。最後に、各グループでどんな話題が出されたのか報告し合って終わりにしました。以下に、その幾つかを紹介します。

◆子ども時代に大切な、友だちとじゃれあったり時間を忘れて遊んだりということが、あまりにも少なすぎるのではないだろうか。コロナ禍で仕方のない面もあるが、それ以前から子どもの時間が奪われているように思えてならない。
学校の方針に沿わないことは許されないという圧力を感じる。学校の硬直化が子どもの育ちに影響しないはずがない。

◆授業スタンダードは悪いように言われるが、若い先生方にとっては授業づくりの助けになっていると思う。問題は、そこにずっと寄りかかって年数を重ねること。もっと違うやり方があることに触れる機会をどう作るかが、職場の教育力にかかっている。

◆親同士のおしゃべりはするが、自分の子の悩みはそうそう言えない。中には、他の親と関わるのが怖いと感じている人もいる。

◆学校の先生に相談すると、すぐ「アーチルを紹介します」と言われ、不信感が募る。

◆教師の自由が極端に狭められているように感じる。構想する自由があって初めて、より子どもの実態に寄り添うことができる。現実は、決まったラインでしか先生は接してくれない。