今日の朝刊「折々のことば」(朝日)は、「憲法が『どういう国にしたいか』という願いそのものであるならば」(赤坂真理)だった。
それを読んで、45年前の社会科の授業を思い出した。
初めての6年生担任。歴史の授業をどんなスタートにするかひとりで悩み、どうなるかの見通しもあまりはっきりもたないまま、日本国憲法の「前文」の読みとりから入ることにした。古い学級だより(*なんと稚拙!)をひっぱりだしてみると、
社会は憲法の勉強
ある本によると「憲法を読んだことがあるか」の問いに、「ある」と 答えたのは、成人の男40%、女20%で、現在はもっと下がっているだろうと書いてありました。
おかあさん 読んだことがありますか?
おとうさん 読んだことがありますか?
読むことは国民の義務です。
4月23日号(*1970年)に以上のことが書いてあった。
「前文」を読みとおすのに四苦八苦しました。ずいぶん辞書の世話になった(難しいことばにも悩んだが、1文が長いのには苦労した)。読んだことについて話し合い、最後に、新しい憲法の願いとねらいを模造紙にまとめ、教室の前面に貼付しておき社会科の授業に入った。
歴史の授業でも、区切り区切りで、模造紙に書いたものを読み時代やことがらについて確認をしながらすすめていった。
私の頭の中でも、赤坂さんの言われる「憲法が『どういう国にしたいか』という願いそのものであるならば~」をまず持っておき、歴史の流れを知り、政治の現実を少しでも考えることができれば、という思いがあったのだった。( 春 )