mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

木村草太講演に触発されて、「笑い」を考える

 19日にみやぎ憲法9条の会の集会に参加。今年の講演者は木村草太さん。テレビでコメンターとして活躍しているのを見てきていた。しかし今回の講演会に参加し、木村さんの印象が変わった。髪が長くなったことだけではない。テレビでの話しぶりとは全く違う話し方だった。その語り口で講演中、何度も参加者を腹から笑わせるのでした。

  そんなことから「笑い」について、書き留めておこうと思った。実は「笑い」について書こうと思いついたのは、1ヶ月も前の10月中旬だった。NHKの朝の連続ドラマ(ボクはセンターで昼食を食べながら見ることが多い)で、10月からの「わろてんか」が始まったのが、そのきっかけだった。Y興業の創業者の話ということだが、ここ10年近く、テレビで「お笑い」「クイズ」「食べ歩き」の番組ばかりが全盛で、テレビから遠ざかっていたのだった。
 「わろてんか」を見ながら、大分以前に、確かこのダイアリーにも筆をとっていただいている<春さん>の紹介だったと思うのだが、「笑いとユーモア」(ちくま文庫)という織田正吉の本を知り、久しぶりに書棚から出して読み直した。
 目次をめくると、1;人を刺す笑い(ウイット)2;人を楽しませる笑い(コミック)3;人を救う笑い(ユーモア)の3章立てになっている。そして「笑い」について「笑いを起こす原因を『おかしさ』と呼び、おかしさによって起こされる感情を『笑い』と呼ぶ」と書いてあった。
 私たちは(少なくとも私は)、笑いを考えるとき、この3つの違いをごちゃまぜにして話していたように思えて、はっと気づかされたのでした。テレビのお笑い番組で、出演者に「笑わされている」のが「笑い」だと思ってきたように思うのです。
 冒頭の木村草太さんの話が引き出す「笑い」は、いわゆる「ユーモア」が引き起こした「笑い」です。
 ちなみに織田が「ユーモア」について書いている所を抜いて紹介します。 

 ユーモア感覚は、あらゆる種類の心の束縛から解放されるための一つの能力です。それは、固定観念や先入観をとりのぞき、アイデアをひらめかせ、表面の現象にとらわれないで、かくされた真相や実体を見抜くことのできる知性の一種です。そして、ユーモア感覚がもっとも力を発揮するのは、困難、逆境、対立、被害など、マイナスの事態がまわりに起こったときです。

 

 ついでに「定義集」(筑摩書店)を開いてみたら、「笑い」について、デカルトボードレールベルクソンなど著名な人たちの「笑いの定義」を紹介していますが、その中に「ユダヤ格言」があり、そこには『生物のなかで人間だけが笑う。人間の中でも、賢い者ほどよく笑う』という一行が目を引いた。

 この織田の本を紹介してくれた春さんも、ユーモアの達人です。学習会や打ち合わせ会議で周囲が行き詰まったり、展望が見えなくなったとき、いつも周囲を笑わせてくれるユーモアのあふれた話をしてくれるのです。

 という訳で、筆無精のボクの背中を押してくれた木村さんに感謝です。ダイアリーらしからぬダイアリーになってしまった。お許しを。 <仁>