mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

第2回『道徳なやんでるたーる』報告

 第2回『道徳なやんでるたーる』、平日夜の会にもかかわらず、多くのみなさんに参加いただきました。ありがとうございます。

 さてさて第2回は、1回目の話し合いを受けてKさんがつくってきた授業案をもとに、どう授業を進めたらよいか具体的な検討を行いました。ただし検討とは言うものの、みんな道徳に対して確たる信念や考えがあるわけではありません。みんなナヤンデルタールなのです。ですから試行錯誤に暗中模索、七転八倒五里霧中です。
 さてKさんが前回の話し合いを踏まえて選んできたのは「ともだちやもんな、ぼくら」(2年生の教材)でした。物語の概要は、おおよそ次の通りです。

 登場人物は、かみなりじいさんとぼくにマナブ、そしてヒデトシの4人です。「こらあ。わしのいえの木で、なにをやっとるか。」かみなりじいさんの大きな声で物語は始まります。ぼくとマナブ、そしてヒデトシの3人は、かみなりじいさんの家の木にかぶとむしをとろうとよじ登っていたのです。おじいさんに怒鳴られた3人は、慌てふためき逃げますが、なんと途中でヒデトシが転んでしまいます。ぼくとマナブは、ヒデトシを顧みずに走りつづけ公園へと逃げてきます。逃げ切ったぼくとマナブでしたが、だんだんヒデトシのことが気になりはじめ、頭の中はヒデトシのことでいっぱいに。とうとう2人は、おこられることを覚悟のうえでおじいさんの家へと向かうことにしました。泣いているヒデトシの両側に意を決して歩み出た二人に、なんとおじいさんは「おまえたち、よく もどって きたな。ともだちと いうのは、ええ もんじゃな。これからは、虫とりがしたけりゃ、わしに いいなさい。」と言って、頭をなでてくれるのでした。帰り道、僕とマナブとヒデトシの3人は、友だちであることを再確認するのでした。

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 1回目の話し合いでも一番話の弾んだ教材です。子どもたちも自分のこととして身近に感じる、考えることができる教材のように思いますが、すでに授業をした先生からは、最後まで物語を読んでしまったせいか、子どもたちの話し合いでは様々な意見や考えが出ずに終わってしまった。考える道徳にはならなかったとの話もありました。またこの教材を最後まで読むと、結局こわいかみなりじいさんのところにヒデトシのことを思って戻ることが友達だという価値観を押し付けることになりかねないのでは? などの意見もありました。

 そんな話し合いの経過も踏まえKさんが持ってきた授業案は、教材で扱うのは最初から12行目まで。しかも、タイトルなしの本文だけをプリントしたものを使用という大胆なものでした。今回は、この授業案をもとに、Kさんの授業に対する思いを大切にしながら、その思いを成就させる方向で喧々諤々の話し合いをしました。さてさて第3回はこの喧々諤々の議論を踏まえ、まさにザ・道徳と言えるような授業案ができるのか否か? それはまた、次の回までのお楽しみです。

 次回は、6月20日(水)、18時30~研究センター で行います。これまで参加されていなくても大丈夫です。ぜひ皆さんご参加ください。お待ちしてます。

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