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mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記です。

とと姉ちゃんと今

NHKの朝の連続小説「とと姉ちゃん」は、今週、東京大空襲を背景にした展開になっている。「とと姉ちゃん」の生涯の仕事となる「暮らしの手帖」の名編集長である花森安治ももうすぐ登場するのだろ。どのように描かれるのか興味深いこの頃でもある。
 花森安治は、当時、大政翼賛会に籍を置き、国策広告に携わった人物でもある。しかし、戦後は一転して、激動の時代の暮らしや風俗を、独自の感性で語り、大胆な評論活動を行ってきたことで知られる。
 そのような花森は、昭和29年、32年、38年に、A新聞社にそれぞれ半年間連載したコラムがある。その中の一つ、昭和29年8月1日の文を読み、決して過去のことではなく、今の日本の情勢ともしっかりと絡み合う問題提起が読み取れる。
 昭和29年はどのような年であったのか。年表を読むと、3月1日にはビキニでの水爆実験、6月9日には、防衛庁の設置と自衛隊法の防衛2法が公布され、再軍備へ大きく舵をきった年である。
 さて花森のコラムの内容は、与謝野晶子の詩をなぞりてと最後に付して、「血迷い給うことなかれ」という5連の詩の形式で書かれている。冒頭の1連を抜いてみる。

 

ああ大臣よ
君を泣く
君血迷い給うことなかれ
民主主義の国なれば
民の選びし君なれど
民は毒米混ぜ入れて
我を殺せと選びしや
我を殺して居座れと
血の税金を払いしや

 

 折しも今、参議院選挙の最中であるが、昨年の9月19日をピークとした安保法案採決までの議論を振り返りながら、現在の選挙戦の論議を見聞きすると、花森の「血 迷い給うなかれ」は、いきいきと訴えかけてくるではないか。
 EUからの分離を決めたイギリスの国民投票投票率は70%を超えた。その是非は、ここでは抜きにして、投票率の数字は、我が国のあらゆる選挙の投票率を遙かに凌ぐ高さである。自分の意思をしっかり表すことをこそ、今、日本国民の最大の責務ではないだろうか。<仁>