mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

正さん『中国自然歩道』を歩く9

鳥取砂丘から境港まで』迷いながら行く



【9日目】4月24日(水)/ 小雨19℃
 オプション島根県  ~ 足立美術館宍道湖に行く~


                     (島根県ウェブサイトから)

◆ いよいよ最終日
天気予報通り、今日は雨となった。
美術館は、雨でも傘は要らない。
出雲市から、いざ出発。
JR安来駅で降りると、無料シャトルバスが待っていた。
へえ~それほどまでに人が来るのか、と驚く。
「向こうに着いたら、必ず帰りのバス札を取って下さいね。
それがないと乗れませんから。」という運転手の指示。
定員オーバーにならないように、札の枚数で調整してるんだな。
それほどまでに人気の美術館なんだ。
楽しみじゃ。

足立美術館
街中を抜けて、里山が近く見えるようになった所に
美術館は建っていた。
そこの駐車場の広いこと広いこと。
今日はその一角を占める程度の人手。
とは言っても、観光バスは10台以上だ。

ゆっくり回れば2時間ということなので、全て眺めよう。
撮影は庭園のみ。当たり前か。

これは5万坪ある庭園のほんの一部。
雨に濡れた緑が生き生きしている。
さらに、向こうに見える山々との一体感がとても自然だ。
庭園の広がりが感じられる。

一幅の絵のように、窓が額縁になっていた。
見ていると、心が静かになっていく。
実際は、来館者でごったがえしていたのだが。

北大路魯山人
はじめに、魯山人館というところに入ってみる。
恥ずかしながら、美食家というイメージしかなかった。
陶芸、日本画、童画、漆芸、木彫などあらゆる分野に個性を感じた。
言葉ではなく、作品を示したいが、それは無理。

横山大観
かなりの数の近代日本画を見た最後に、横山大観特別展示室があった。
ど素人の自分が語ることは何もない。
“ すごい ” としか言いようがない。
約20の大観の作品が展示されていた。
他に100点ほど収蔵されているらしい。
できるなら、全部を見てみたいと思った。
最高傑作の1点と出会うだけでも大変なことだが、
120点に目を通せたら、
見え方が違ってくるのではないかと思ったからだ。

また、どうしたわけか作品を見ているうちに、
伊藤若冲の描く鶏も見たくなってしまった。

宍道湖を歩いてみよう(約18km)

                                                                                                (島根県ウェブサイトより)

美術館を出ても、雨は降り続いていた。
まだ時間はある。
よし、宍道湖を足で感じてみよう。
急に思い立った。
湖の下側、国道沿いになるがしょうがない。
右の松江側から左に向かう。

ちなみに、この宍道湖は古代内海だったところ。
川が運ぶ堆積物で出雲の方は埋まったらしい。
埋まらず残ったのが宍道湖
そのせいで若干塩分が残る汽水となった。
大きなシジミが育つのは、そういう理由もあるようだ。

風が強く肌寒い。
湖面を見ると、思いの外、濁ってる。
いろんな栄養が混じってるから、ということにしとこう。
雲が低く、冬の日本海のようだ。

地元の人に、国道9号線は歩くところがあるのか聞いてみたら、
遊歩道があるとのことだった。
初めのうちは確かにあった。
でも、ここから見える玉造温泉が近くなったら、ただの歩道もなくなった。
1m幅もないような白線が引いてあるだけ。
幹線道路なので、車はびゅんびゅん通る。
風で傘があおられる。
のんびり歩いてる場合じゃない。
歩道よ早く出てこ~い。
波の打ち寄せる “ ぼちゃんぼちゃん ” を聞きながら先を急ぐ。

本来なら、対岸の方が歩くコースは整備されているようだ。
おまけに、晴れてれいば、夕陽がこの上なく美しい景色が見られるという。
残念。

まだ半分も来ていない。
とにかく黙々と歩く。
どこまで歩いても、湖の景色はあまり変わらない。
ん? 海と違って潮の匂いがしないな。

コンビニで休憩しながら、何とか目的地のJR宍道駅に到着。
もう夕方になっていた。
悪条件ではあったが、歩いてはじめて宍道湖の一端を感じることができた。

◆ さあ、帰るぞ
出雲駅まで戻って、18時57分のサンライズ出雲に乗車。
寝て帰ろう。

いつにも増して、放浪感が強い旅だったなあ。
四国で知り合った “ 日本一周をしている若者 ” がふと浮かんだ。
テントを担いで、ただただ歩いていたっけ。
今回は、同じ匂いのする人間と出会えなかったのが少し残念かな。