mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

免許更新2題

 今年の初仕事?は、車の運転免許更新となった。昨年秋、高齢者講習を受け、年明けの5日、運転免許センターに赴き、新しい免許証を入手してきた。これからは3年ごとに更新が求められる。今回、車から手を引くことも少なからず考えた。というのも高齢者による交通事故多発のニュースが人ごととは思えなくなったからだ。そしてSDGsの一つ、いわゆる二酸化炭素削減の世界的目標もその一つになる。

 しかし、その一方で、介護している母が通院を必要とする時の交通手段に自家用車は手放せない。それ以外でも自家用車に代わる交通手段である公共交通機関の問題が残った。居住地を走るバスの不便さだ。1時間に1本しか回ってこない。研究センターに行くのも、せめて1時間に2、3本あれば、そんなに悩まずにすんだ。さらにもう一つの心配は、年末に、日頃、買い物で利用するスーパーが撤退するかもしれないという話を耳にしたからだ。地元のスーパーはとうの昔になくなり、今は隣りの団地のYスーパーが唯一の店舗になっている。それが撤退するとなれば、やはり車はまだ手放せない。悩ましい問題である。

 タイトルにあるもう一つの免許更新といえば、第1次安倍政権が法改定し、2009年度から導入した教員免許更新制度がある。教員免許状の有効期間で、10年ごとに免許状更新講習(大学等が開設)を30時間以上受講し、試験に合格しないと失職する制度。この制度で過去10年、どれだけの現役の教員が苦しんできたか。講習を受けるため、教室をあけたり、貴重な長期休みを削ったり、さらには受講のための交通費や宿泊費も自腹とあっては、たまったものではなかったに違いない。そして何よりも何故このような更新が必要なのか納得がいかない。医者や看護師には医療機器がどんどん進化しても免許更新は求められない。なぜ教員だけにと考えるのは当然だ。

 この更新制に対し、文部科学省中央教育審議会で廃止意見が続出しているという。当然のことだ。中教審は今年1月14日の初等中等教育分科会で、「令和の日本型学校教育」の答申案を確定するらしい。その『中間まとめ』は「教育委員会が実施する研修との重複などの負担感が課題」「より包括的な検証を進める」など、更新制の改廃に言及している。

 というのも、昨年10月15日の中教審教員養成部会で、岐阜県教委の義務教育総括監は「更新制が学校の教育活動に役立っているか」という設問への「否定的回答が県内市町村教委で7割強、高校・特別支援学校で7割弱に上る調査結果」等を提示し、「更新制の負担は大。法定研修の充実などと合わせて、更新制の廃止を検討できる」と発言したことが報じられていた。京都府の教育長も「更新講習の受講が目的化されていないか」と述べ、「都道府県・市町村が実施する資質向上施策(研修等)との互換措置の検討」を提起した。

 同じく10月28日・29日の中教審特別部会のヒアリングでも、更新制に対し保護者や教職員組合から、「ぜひ早急に検討に入り、廃止してもらいたい。重ね重ね廃止を切望します」「教員の多忙感を増大させていることは明白。直ちに廃止を」などである。
 それに加えて、今、教員のなり手が減少しているという。10年ごとに講習を義務づけられるのでは、たまったものではないと考えても不思議ではない。

 そもそも、長年、中学校などで無免許の教科を担当させてきたり、小学校でも無免許で英語を教えさせてきたことを、どう総括しているのだろう。

 更新講習には憲法に則り子どもに寄り添う講義をする大学教授がいる反面 、学習指導要領や校長命令への服従を説く教育行政からの  “ 天下り教授 ”  もいるというのでは話にもならない。悩むことなく即廃止すべき問題だ。 <仁>