mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

『こくご講座』の直前ですが・・・

  ~ 好きですか?嫌いですか?の問い ~

 今回の『こくご講座』のチラシには、~教材の魅力、授業の醍醐味~と書いた。それは第1回のときの、ちょっとした出来事が関係してのことだ。

 話題提供者の報告に、春さんが「あなたは、この教材好きですか?」と質問を投げかけたのだ。報告者の先生からは、どう答えていいものか戸惑っている様子がありありと感じられた。私は、それはちょっと酷な質問じゃないかと感じていた。というのも今の教員は学力テストや教員評価の中で、これまで以上に教科書を最初から最後まできちんとやることが求められている。春さんの言うように好き嫌いで授業をどうこうできる状況があるわけではないと思ったからだ。好き嫌いに関わらず、どうこの教材で授業したらいいか、そのアドバイスこそしてくれたらとも感じていた。

 ところが参加者の感想の中には、春さんの質問がよかったというものがあった。その感想は、春さんの問いの真意がどういうものだったのかを改めて考える機会を与えてくれた。

 そこから見えてきたのが「教材の魅力、授業の醍醐味」というフレーズ。好きですか嫌いですかという問いは、教師が教師である(になる)ためには、教師自身が教科書教材であるなしにかかわらず、まずは作品と向き合い、出会うことが大切だということを意味していたのではないか。

 国文学者の小森陽一さんも、高校生との公開授業を、まずは高校生たちが作品から感じたこと、思ったことを問うことから始めていた。それは、生徒たちにとって作品との出会いにほかならない。同様に授業の前に、まずは教師自身が教材と出会っておかなければならないだろう、そういう問いなのだと。

 第2回の『こくご講座』では、話題提供者のみなさんに、それぞれの教材に対するこだわりや魅力・おもしろさ、そして授業の醍醐味と難しさ、そんなことが多く語られる場になるといいと思っている。(キヨ)

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