涅槃の道場 ~6日間で香川を歩き、結願をめざす~
【4日目】3月18日(水) ~五色台に残る旧遍路道を歩く~
宿発 7:50 ⇒(7km)⇒ 81白峯寺 10:10 ⇒(5km)⇒ 82根香寺 12:10 ⇒
(13km)⇒ 83一宮寺 16:50 ⇒(1km)⇒ 宿着 17:50
体が慣れるどころか疲れがたまる一方で、しかも歩き出してからほどなく腹も痛くなってきた。白峯寺までの6kmはずっと登りだったので、ほんとにしんどかった。時々視界が開けるので写真を撮ったりして休み休み上を目指した。そういう状態で急坂にさしかかったとき、突然仕事場から電話が入った。急用かと思いきやそうではなかった。それをありがたいと思うほどの余裕もなく無下にバチッと切った。現実に引き戻された瞬間だったが、自分の現実はこっちだ。がんばろう。
空と一体となった 81番白峯寺 イノシシ注意が出ている
まじめに読んでみた。①逃げてはいけない②追い払うような行為はしない③さりげなくやり過ごす 何たって一本道だもんなあ・・・・・・熊よりはいいか。
根香寺への道
さほどのアップダウンもない尾根歩きだったので気持ちよかった。
82根香寺回廊
本堂はどこかと探していたら回廊を通ったその先にあった。回廊にはたくさんの吊り灯籠があり、ほのかに火が灯されていた。中国や台湾のお寺の雰囲気がした。
オーストラリア人と遭遇
山の上に五色台みかん園というところがあった。そこは三叉路になっていて、左に下ると根香寺、右は次の一宮寺へと続く山道。お遍路さんの休憩所にもなっていた。根香寺からヒーヒーしながら登り返してきたら、二人の外人さんがお昼を作ろうとしていた。奥さん(?)と目が合ってしまい、つい「ハーイ!」と声をかけたら休んでいけというような感じだった。片言でやり取りすると、二人はオーストラリア人で、すでに3ヶ月も四国を巡っているとのこと。お遍路が目的というよりは、四国の自然がこよなく好きだと教えてくれた。いわゆるバックパッカ-。内心、仕事どうしてんだろうとか思ったが、それは聞けなかった。楽しみ方が違うんだよなあ。君は日本のどこから来たんだい?と聞かれたような気がしたので「My hometown is Miyagi prefecyure」と、やっと言ったら、「I don't know. 」だって。そりゃそうだな。東日本大震災と津波を並べたら、すぐに分かってくれた。この二人、来年の夏はシドニーからヨットで日本に来る計画を立てているとも言った。そうして、自分のヨットが写っている名刺をくれた。何者なんだいったい?でも、とても気さくで、ハーブテイーまでごちそうになった。四国にはいろんな人がいるもんだと思った。
トウカイ桜かな? 車道から遍路道へ
高松方面の海が見える
83番一宮寺山門
根香寺からの下り5kmは山の中なので歩くのは楽しかった。でも、その後の7kmは平坦地であるにもかかわらず遠かった。街の中や民家の裏道も生活感が見えていいのだが、街になればなるほど道標や矢印が不親切で、結構時間がかかってしまった。もちろん疲れもあるのでかなりペースは落ちている。お参りしたことを証明する意味で書いてもらう納経所は5時までと決まっている。この日は、その時間との闘いだった。一宮寺に着いたのは終了10分前。普通通りにお参りの儀式をしていたのでは間に合わないので、最初に納経帳に書いてもらい,それからゆっくり拝むことにした。大師堂から “ がんばったな ” と言われたような気がした。