mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

2月1日

2015年2月1日

 ネットの調子が悪く、日記もついついいつもに増して延びる。普通に動いていたものが動かなくなると、大きな不便さを感じるだけでなく、精神的にも大いによくない。ネットごときでこうなのだから、この種のものから発する現代人のストレスがいかほど大きいかはかりしれないように思われる。便利さや物の豊かさは決して人間にゆとりをもたせるものでないらしい。

 これを機に自分も残り少ない生き方を考え直してみたい。

 25日から4日間の日程で田中孝彦さんたち日本臨床教育学会震災調査チームが来て、26日は一日中、石巻聴き取りに同行した。

 仮設のKさん宅を2年ぶりに訪ねる。Kさんたち家族は震災以来11月までテント生活をつづけて、やっと今の仮設に入っているのだが、それにしても仮設住宅が間もなく丸4年になるとは長すぎる。高校生を頭に育ち盛りの3人の子ども、前回、訪ねた時は2番目のお姉ちゃんが視覚狭窄ということだったが、今は普通にもどったとKさんは喜んでいた。長い期間のテント生活が原因だったのだろうか。

 「この部屋は、まだ広い方になります」と言っていた。以前訪ねた仮設よりは広いし、しっかりしているように見えた。それにしても「仮設」と名のつく住宅に4年というのはあまりに長すぎると思った。しかも、いつまでつづくかもわからない。

 新しい住宅についても、熟慮をつづけ、やっと先日、自立再建ということで土地を決めてきたと言っていた。

 Kさんの前の住居は、建てて間もなく流されており、そのローンもまだまだ残っており、子どもたちの進路のこともあるが自立再建(いくらかわからないが補助はあるとのこと)を決意したと、淡々と話をしていたが、胸中は言葉にできぬ想いであろう、(もしかすると被災者Kさん家族の一生はローン支払いとの闘いになるのでは・・・)とやりきれない思いで聞いていた。ひとりでやりきれないことがあるから自治体があり国があるだろうに・・・・。

 話の中でKさんは、「友人から、『新しい家が完成したので見においで』という案内をもらっても、素直に体が動かないんです」とも言っていた。そんな自分が情けないと思うのだろうが、聞いていて、その心情はとてもわかった。

 他の方の話も聞いて遅く仙台に帰ったのだが、被災者と自分の距離は少しも縮まらないどころか大きくなっているのではないかと感じた。このようなとき私に出きることは何か、Kさんのような人たちを忘れることなく、とにかく考えつづけたい。