mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

正さん、タイを歩く(4)

《12月28日 目的地3「ダムヌン・サドウアック水上マーケット」へ》
 バンコクから南西に80kmほどにある水上市場。賑わいを見せるのはお昼頃までというので、7時過ぎには出発。行き方はいろいろあるのだが、ロットウー(ミニバス)に乗りたかったので、一旦電車でバンスー駅まで北上し、そこからタクシーで北バスターミナルへ。そこは長距離バスの出発地となっており、道を挟んだ向かい側にロットウー乗り場がある。と言っても200以上の方面に出発しているので、チケットを買うまで気が抜けない。

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 チケットカウンターがずらりと並んでいる。事前に調べていったので、すぐに買うことができた。80B(280円)だ。でも、時刻表などないので呼ばれるまでじっと待っているしかない。つまり同じ方面に行くお客が12,3人集まったら出発ということらしい。

《アクシデント発生!》
 水上市場のずいぶん手前がロットウー到着所。11時半頃だったかな。やれやれやっと着いたかとトイレ休憩しているうちに、一緒に乗ってきたお客たちは別の車に乗り換えて出て行ってしまった。
 あれれ?どうもここから後1kmほど先まで行かないとお目当ての水上市場ではないようだ。つまりは接続を逃したのかな。
 でも、よく見たらここは水上市場に行くボート乗り場でもある。店員に値段を聞いてびっくり。1000B、おまけに外国人観光客は倍の2000Bだと言う。これぞまさに、ぼったくりである。問題外。炎天下の中1km歩くか、通りでタクシーを探すか迷った。

《偽救世主現る》
 困っている我々のところに,おばさんが近づいてきた。このぼったくり店の店員かと思ったら、同じ状況になった韓国からの旅行者だった。タクシーを探して3人でシェアしようということになった。通りに出てきょろきょろ探していたら、地元の人が運転する車が止まった。どうも乗せて行ってくれるらしい。

《妥協しない韓国のおばさん》
 ありがたや、ありがたやと思っていると、急に細い路地に入って行くでないの。Why? 路地の奥は広い船着き場になっていて、何のことはない客引きされたのだ。タイ語と数字で “ さっきのところよりはずっと良心的。3人で1000Bでどうか ” てな感じ。ところが韓国のおばさんは,これに怒って、英語でがんがんまくし立てる。500BならOKをしつこく繰り返す。ぼったくりするならSNSで発信するとまで言い返し、全くらちがあかない。
 おいらは嫌になってきて、2人ならいくらか交渉すると、600B。それを500Bまでねぎり、帰りはロットウー乗り場に直接送ってくれるようにした。後で分かったことだが、水上マーケット本来の場所でボートをチャーターすると150Bで乗れるらしいのだ。おばさんが粘ってた理由が分かると共に、かなり旅慣れてると尊敬もした。こういう駆け引きは、けんかでもなんでもなく、日常そのものなのだと思った。
 やっと、1時間半の水上市場見学が始まった。

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   水路の両脇に店が並ぶ。         果物などの行商。

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 ボートから市場を眺めていたら、えっ!韓国のおばさんがいる!どういうこと?手を振ろうとしたが、何か果物を買おうと値切っている最中の様子で目が合わなかった。おそらく、ここまで車で送らせたに違いない。世界は広いなあ。水上マーケットの暮らしぶりとおばさんがセットで記憶された。

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 帰りのロットウー車内から池が延々と見えた。
 たぶんエビか何かの養殖だろうと思ったら、塩田だった。道沿いに大きな袋が積んでありsaltと書いてあった。海は数キロ南にあるはずで、何で塩が取れるのか不思議だった。

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バンコク駅から空港へ》
 早めに空港に行った方がいいと思い、19:00に乗車。とんでもなく混んでいた。突然、プラットフォームから駅員の大声が響いてきた。何を言っているかさっぱり分からない。そうしたら、乗客がどんどん降り始めた。何?何?どういうこと?とにかく降りた。駅員を探して聞いてみた。どうも乗客が多いので,もっと大きな列車に変えることのようだった。30分遅れで出発。ほんと、早めに来てないと何があるか分かんないと思った。

 列車で難儀したのが、次の駅のアナウンスがないこと。各駅の看板もあるんだかないんだか分かんないところも多かった。明るいうちなら景色で何とか分かるんだけど,夜はしんどかった。2日目からスマホが使えなくなったことも一因。位置情報が使えれば何のことはないんだが。その分、地元の人にだいぶ助けてもらった。みんな親切だった。

《終わりに》
 初めてツアーじゃない旅だったので、どうなるものやらと思っていたが、何とかなるもんだと思った。もちろん、ツアーに較べれば無駄な時間をいっぱい使ったのはごもっとも。でも自分の足で歩く自由さと持ってる知識をフル活用する充実感はあったように思う。まるで単独行のような口ぶりだが、何のことはない連れに連れて行ってもらっただけなのだ。とほほ。

《タイの印象》
 隣のカンボジアは田舎に行くまでの道々、貧相な屋台がずっと並んでいた。誰がここに来て食事をするのだろうかと不思議でたまらなかった。また、道路脇のゴミが半端でなかった。ビニール袋と発泡スチロール、ペットボトルなど山になっていた。30年近く続いた内戦の影響で中高年の男が非常に少ない。若者がうじゃうじゃいる。まさに国作りの真っ最中なのだろう。一方、タイ郊外は屋台ではなく、それなりに商店の形をした店が多かった。ゴミもないわけではないが,カンボジアに較べればないに等しい感じがした。それに見た限りでは田畑がきちんと整備されていたように思う。貧富の差はあるのだろうが、落ち着いて暮らしているように感じた。アジアで唯一植民地化されなかった(日本もそうだが,植民地を作ったので除外)理由が根底にあるように思った。