mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

おすすめ映画『 i 新聞記者ドキュメント』

  私(たち)はどう生きるのか

 この表題は,2017年度コミック版でベストセラーにもなった「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎)をもじったものである。大学時代、研究室の自主ゼミで読み合った本だ。当時、自分の思いだけでしゃべっていた私が、考えて話せるようになったのは、この本をもとに議論した〈ゼミ〉を通してだった。本の中で、主人公のコペル君は様々な経験とおじさんとの対話のなかで世の中の仕組みや自分の存在意義をつかんでいく。このコペル君の成長を通して、作者は「君たちはどう生きるのか」と問いかける。

 『i新聞記者ドキュメント』を観ていると、途中からずっと私の頭の中に、「この映画を見た俺がどう生きるのかを問われている」気がしてしょうがなかった。はっきり言って、今の政権による政治は腐っていると思う。何をしても、そのことの陰で人が死んでも「資料がない」「遺憾である」「私は関わっていない」などと言って、まともに向き合わない。挙句、マスコミを掌握し、反旗を翻す者には、ありとあらゆる手で嫌がらせをする。そうした者たちが「いじめ防止」を声高に叫ぶなんて、悪夢としか思えない。

 しかし愚痴っているだけでは、世の中は変わらない。映画の中で、記者の望月氏は、真相を追い求めて、妬み、嫉み、妨害、ありとあらゆる壁を仕掛けられる。しかも、それは権力による非常に厭らしく稚拙な脅しだけでなく、同じ記者からの同調圧力もある。しかし望月氏はめげない。私=iとして、自分の生き方を曲げずに貫いている。こうした姿勢に励まされた。ただ私はiとしてだけではなく、weとしても仲間たちと共に、歩んで行こうと強く思った。巨大な権力に対しては、同じ志を持つ仲間との共同が大きな力となるから。そのためのiでありたいと思った。そして、これを読んでいる皆さんにも。この映画を見てもらって問いかけたい、
 ~私(たち)はどう生きるのか?~ (鈴木吉雄)

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 実は、今週末に出来上がる「つうしん97号」に、おすすめ映画として鈴木さんが紹介してくれたのが、上記『 i 新聞記者ドキュメント』です。そしてちょうど現在「仙台フォーラム」で、この『 i 新聞記者ドキュメント』が上映されています。事の順番からすれば、まず「つうしん」、そして「Diary」での紹介というのが筋かもしれませんが、ご本人からも《映画も上映されているし、ぜひ多くの人に観てもらいたい。早く知らせることができれば》との意見をいただいたので、先んじてDiaryで紹介することにいたしました。

 なお上映は、「仙台フォーラム」で、1月10日(金)~1月23日(木)までの予定です。上映開始時刻は1週間ごとに変わりますので、確認のうえ来場するのがよいと思います。ぜひ、みなさんご鑑賞ください(ちなみに上映期間も、好評だと延長されたりするのでお気をつけください)。

 さらに、この上映に直接関連した企画ではありませんが、せっかくなので以下の別企画も紹介します。
 宮城県職員組合が、2月8、9日(土・日)茂庭荘で『GO!DO!教研』という先生方中心の学習会を行います。その記念講演に、本映画の主人公であり、中日新聞記者の望月衣塑子さんが講師としていらっしゃいます。教員でなくても、一般の方も参加できるそうです。講演日時は、次の通りです。なお参加費は1,000円です。(問い合わせは、022‐234-4161  宮城県職員組合まで)

  ◇記念講演(2月8日・土 13:20~15:00) 会場:茂庭荘
           報道の今、~記者の目から見えること~
             
講師:望月衣塑子さん