mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

正さんのお遍路紀行(四国・愛媛編)その2

 菩提の道場 ~8日間で愛媛を歩く~

【2日目】3月16日(土) ~歯長峠を歩く~ ( 曇りで寒い)

JR宇和島(7:48)⇒ JR務田(8:05)
         ⇒ 3km ⇒41龍光寺⇒ 4km ⇒42佛木寺(9:50)
             ⇩
         16km(歯長峠)
             ⇩
          43明石寺(13:30)⇒ 2km ⇒ JR卯之町(15:16)⇒ JR松山(16:18)

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      龍光寺山門            佛木寺への道

 徳島にも山を縦走するようなへんろ道があった。11番藤井寺から12番焼山寺までの山道12km。歩いてみたかったのだけど、数日前に焼山寺近くのへんろ道に熊が出たという看板を見てあきらめたのでした。
 愛媛のここ歯長峠も同じような行程なので、絶対歩くぞと決めていた。事前にネットでどんな案配か調べてみると、去年夏の豪雨で通行禁止の車道があり、へんろ道も痛んでいるということだった。さらに、歯長峠は崩落箇所があるために「通行禁止」と出ていた。
 おへんろは全てが自己責任なのだから、絶対無理しないように、とも書いてあった。
 全くその通りである。地元の人に迷惑をかけたのでは、空海の罰が当たる。
 でも、私は突撃してみた。それいけ~。

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     去年夏の豪雨で崩落      峠に向かう登り
        (立ち入り禁止)

 佛木寺を出て山道に入るところに確かに通行禁止のロープがあった。それを見なかったことにしてへんろ道である急坂を登ってみた。ほどなく、上の写真にある崩落箇所にぶつかった。さらにロープで規制してあった。ふ~む。戻るか?いや、それもめんどくさいな。ロープの上の方を藪漕ぎすれば何とかなるでしょう、と歩き出すと、なんと踏み跡があるではないの。
 獣道のような跡ができていた。俺と同じようなやつがけっこういるもんだなと思いながらも、ゆっくり、しかし、しっかり踏みながらそこを抜けた。その後、倒木などもあったがさほどの危険もなく歩くことができた。
 「峠」と言うだけあって、ちょっとした山登りだった。けっこう疲れたが、こういうへんろ道は楽しいなと思う。

f:id:mkbkc:20190625164636j:plain           歯長峠頂上から 

 峠を下りた辺りに急な雨とあられが降ってきてとても寒かった。四国は仙台の3月とは違い、さぞかし春に包まれているのだろうと思ってやってきたが、そんなこともないんだなと思う。高地のせいでもあったでしょう。
 ポンチョにしようかと迷うが、雨宿りの場所もないので、すぐ出せる傘で何とかしのぐ。豆はできなかったが、足はがくがくなので、休憩用のへんろ小屋を探して歩くしかない。次の明石寺まではまだ6,7kmはあるだろう。歩道わきの菜の花に元気をもらってとにかく歩く。

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     菜の花が「しっかり歩けよ!」

 43番明石寺には、「たどり着いた」という言葉がぴったりの疲れ具合で、正直、お線香やらお経やらの所作法がしんどかった。それよりも、お寺入り口にあった茶店であったかいうどんを食いたいと思った。食ったんですけどね。とにかく温かくてうまかった。
 さあ、あと2,3kmがんばりましょうか。 

 四国の山深いへんろ道には、道標だけでなく、石仏やへんろ標示が頻繁に出てくる。特に、へんろ転がしと呼ばれる難所には、励ましの言葉も添えてあっったりした。きつい登りが長く続いてくると、そういうものに気が紛れるもんだなと思ってしまう。
 下りの余裕のあるときには、石仏に声をかけたりもした。「南無大師遍照金剛」と言うべきところを「よっ!」「元気か!」と罰当たりなことを言った。
 決してふざけているわけではない。山の中に一人でいると、何でもいいから話しかけたくなった。寂しいわけでもないのだが不思議だ。石仏とお近づきになったのかな?

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