mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

対話から新たな考えや協同を ~ 新年を迎えるにあたって ~

 2018年も残り2日となりました。28日は午後から事務局員でセンターつうしん93号の発送作業。これがセンターの御用納になりました。毎度のことですが「つうしん」作りは特集内容で悩みます。やっとテーマが決まったと思ったら次は執筆者を誰に依頼するかで、また悩みます。つうしん読者がどのようなものを期待して待っているのか、センターからは何をみんなで考えて欲しいのか、この2つの狭間で、内容と執筆者を考えることになります。しかし、どうしても後者の方が強くでてしまうのが現状です。センターから読者への一方通行を、どうしたら双方通行になるか。私の課題です。

 話は変わりますが、最近、「対話」について考えることが多くありました。その一つは秋から冬にかけての沖縄の知事と総理や官房長官のそれ。国会での与野党の質疑の様子も同じです。いずれも「対話を重ねます」「真摯に答えます」といいながら、つかみ所のない意味不明な、不誠実な回答だけが目立ちます。

 かつて小説家の小野正嗣が「文学を理解するためには、その世界の中に入らねばならず、自分の一部を譲り渡して他者を受け入れることが必要で、自分が変わることだ」と出典は忘れましたが書いていました。文学を相手と置き換えれば対話の本質が見えてきます。モンテーニュも「言葉は、半分は話す人のものであり、半分は聞く人のものである」と述べています。

 今、私たちの周囲を眺めると、分かり合える相手としか対話しない風景が蔓延していませんか。理解できなくても、一緒にいて、話ができる。話を聞いてもらえる。そのようになれば、もっともっと風通しがよくなり、世界が変わって行くのでしょうね。
 センターつうしんも、対話を生み出す種になり、そしてその対話から新しい考えや行動が芽生えればと願いながらの年越しです。<仁>

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               つうしん93号の詳細は、こちら  から