mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

戦争と平和をどう記録し伝えるか

 この夏も、8月の広島・長崎への原爆投下の日、そして終戦(敗戦)の日を中心に、様々な戦争と平和について考える特集番組が組まれました。
 戦争体験者が高齢になっていくなかで、新たな資料などの掘り起こしとともに、その体験と声をどう記録(記憶)し、どう伝えるのか。近年、そのような模索も含めた番組制作がなされてきているように感じます。
 その一つに、NHKスペシャル「“駅の子”の闘い ~語り始めた戦争孤児~」がありました。戦争で肉親や住むところを失い戦争孤児(駅の子)となった子どもたちの過酷な生活とつらい思いが語られていました。戦争孤児たちが終戦後どのような人生を送ったのか、これまで知らないできたことに改めて気づかされました。彼らにとって戦争は、終戦でおしまいになったのではありませんでした。終戦後も生きるための過酷で悲しい戦いが続いたのでした。改めて戦争の理不尽さに怒りを感じます。

 それから、昨年末にお亡くなりになった早坂暁さんと血のつながらない妹・春子さんとの人生をドラマにした『花へんろ特別編 春子の人形』もとてもよかったです。最愛の妹・春子さんを広島の原爆でなくされた痛切な体験が、早坂さんの『夢千代日記』をはじめとする原爆と戦争を見据えた作品や活動の原点になっているといいます。その妹さんと早坂さんの物語です。お二人の心に秘めた思いとともに、平和への思いを強くしました。
 ちなみに、『花へんろ特別編 春子の人形』は、9月1日(土)15時~ NHKBSプレミアムで再放送されるそうです。よかったらご覧下さい。

 最後に、このことを書き忘れてはいけませんでした。8月15日の朝日新聞宮城版に当研究センターの前代表・中森孜郎のことが、「死を美化した愛国少年 きけわだつみのこえに衝撃『天皇信仰』から解放」と題し掲載されました。『「憂憤録」の頃の私』に込めた思いも含め、天皇のため命を捧げて生きた忠君愛国少年時代のことを語りました。今回の『「憂憤録」の頃の私』出版は、戦争と平和への思いをどう記録し、どう伝えるかのセンターとしての試みの一つです。
 なお8月15日の朝日新聞掲載以降、多くの方から『憂憤録』についてのお問い合わせがありました。まだ在庫はありますので、ほしい方は研究センターまでご連絡下さい。(キヨ)

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