mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

議論はいろいろあるけれど、PTAすごいじゃん!

 ゴチャゴチャの書棚をかき回していたら、B6版51ページの手作りの冊子が出てきた。表紙には、「なぜ少年たちは事件をおこしたか」の表題で、「女子高生監禁殺人事件から」の副題。主催「五校PTA講演会」として<山田中・人来田中・人來田小・太白小・上野山小>との文字が散らばる。講演会の報告書である。
 それだけを眺めているうちに、この講演会についての様々なことが浮かんできた。1991年2月2日だったので、28年前のことになる。

 前書きの中に、実行委員長のFさんが、「振り返ってみると、昨年の秋、上野山小PTAから山田中PTAに、『中学校の子どもたちの一部が荒れている。PTAとして何か共同でやれないか』という相談があり、その中から、講演会を開いて、まず親が学習しようということになりました。講師に横川さんが決まってから,『二つのPTAだけの取り組みに終わらせるのはもったいない。山田中・人來田中学校区の五つのPTAで取り組めないか』ということでいろいろ相談した結果、最終的に五つのPTAで実行委員会を作り、山田中・人來田中学区青少年育成連絡協議会の協賛を得て、開催に至った次第です。」と書いていた。

 講師には、横川和夫さんを頼んだ。横川さんは共同通信社論説委員編集委員で、学校や家庭から疎外された少年少女の取材を意欲的につづけ、スタッフで取り組んだ女子高生監禁殺人事件「かげろうの家」(共同通信社刊)では第1回ルポルタージュ大賞を受賞している。
 横川さんは、こちらの事情と日程に合わせやりくりして会場の山田市民センターまで足を運んでくれた。当日の参加者は600人を超え、何度も山田中から折り畳み椅子を運び続けたのだった。

 講演の内容に入るまでを長々と書いてしまった。どこまでつづくかわからないので、あとは止めることにするが、2つのことだけ、添えておきたい。

 1つは、5つのPTA共催で講演会をもてたということを私は、自分の中で今でも誇りに思っているということ。5校PTAが共催した意味は測ることができぬ大きさがあったのではないかと思うのだ。まあ、自分だけでもそう思いたい・・・。
 もう1つは、横川さんが、話の初めに、「事件に潜む8つの問題点」として挙げたものの第1番目は、「偏差値中心の歪んだ学校教育と高校中退、そして中退した後の若者たちの仕事の問題。わかりやすく言えば、勉強ができるかできないかということだけで子どもをみる人間観の問題」をあげていること。
 後者については、これ以後30年近く経った今も変わりはないどころか、ますますこの傾向がエスカレートしているのではないか、と思う時、このまま見過ごしていたらどうなるのだろうと心配でしようがないので、あらためて考えてみたいと思う。

 この講演記録を手作りで増刷し、読んでもらうようにしようかなあとも考えている。( 春 )