mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

今、教育にも求められること 中村桂子さんの挨拶から考える

 昨年末、高校生公開授業でお世話になった中村桂子さんが、2月1日付の生命誌館のホームページで新年の挨拶を掲載されました。一部を抜粋して紹介します。 

「人間は生きものであり、自然の一部である」。とてもあたりまえのことですが、これをよく考えることがこれまで以上に大切になっていると思うのです。
 これからはAI(人工知能)の時代だと言われます。時にはAIが人間を超えるという人さえいます。でも生きもの研究の立場からすると、「人間とはなにか」というのはとても大きなテーマでわからないことだらけです。どうしたらこのわからないものを超えたことになるのだろうと考え込みます。
 たとえば戦争です。戦争をするのがあたりまえであり、日本もあたりまえの国になろうと言われます。人間という生きものは戦争をするのがあたりまえにできているのかどうか。よく考えてみなければなりません。最近、類人猿や絶滅した人類との比較から、私たちの祖先はとても穏かな存在だったとも言われ始めています。
 とにかく、「人間」をもっとよく知らなければなりません。技術も政治も急がずに、慎重に考えるところから始めて欲しいと思います。

  新しい学習指導要領の発表の折にも、先行き不透明な時代とかいいながら、その一方で、AI時代を想定したり、IT技術への対応と称して小学生からプログラミングの学習が大切などとさかんにアピールしています。

 中村先生の技術と政治にプラスして、「教育」も急がずに慎重に考えるところからはじめることが求められていると思います。<仁>