今日の朝日新聞朝刊に、日教組による「非正規教職員」についてのアンケート調査結果が載っていた。
その一つひとつは私にとっては驚くべきものであった。
アンケート結果ではないが、もっとも驚いたのは次のことである。
非正規で働く地方公務員のうち、教員・講師は2016年で9万2671人。05年からほぼ倍に増え、非正規公務員全体より伸びが大きい。
学級編成や教員の数を定める義務標準法が01年に改正され、国が負担する正規教員の予算で非正規を採れるようになった。04年には総額裁量制が導入され、国が決めた総額の範囲なら、自治体が教員の賃金や採用数を自由に決められるようになった。
こんなことが決まっているなどとは知らなかった。「国の決める総額」とはどのような決め方なのか。そして、宮城県はそれをどのようにしているのだろうか。
少なくとも、私たちの現役時代、これらのことはすべて教職員組合との交渉事項であった。この「総額裁量制」というのは、交渉の結果決まったものなのか。まさかそうではあるまい。
記事は、非正規教員がいかに冷遇されているかが詳しく報告されている。
なんと、九州の40代の女性非正規教員は「教員として働いているのに、就学援助の対象になった年もあった」という。
岩手の中学校で非常勤講師として働く30代の女性は「時給千円、ボーナスなし」とのこと。
賃金の問題は、どんな仕事でも働く内容と大きく関わるはずだ。教員で言えば、子どもらと無縁のことではない。
この記事を読みながら、昔のことを思い出した。1学年6クラスの大きい小学校にいた時である。休職の代替講師が2人来ていたが、当時、講師にはボーナスはなかった。それで私は「2人の仲間がいてくれたのでオレたちはずいぶん助かった。講師にもボーナスが出るように今後も運動をつづけることにし、今回は、オレたちのボーナスからカンパを出し合わないか」と訴えた。賛成を得たはずであったが、2~3日後、授業中呼び出しがあり、その場に行くと、主任たちがずらりと並んでいて、その中のひとりが「講師にボーナスが出ないのはそう決まっているのだから、カンパの提案は取り消すべきだ」と言うのだ。他の人たちは黙っている。
それで、「全体の席で言ったが、それは取り消して、同意してくれる人のカンパにする」と答えて教室にもどり、ボーナス日はそのように運んだ。ほとんどの方がカンパしてくれた。
その後、それほどの年数をおかずに、講師にもボーナスが出るようになったと記憶している。今は昔のことである。
子どもらによい教育をするための環境整備はたくさんある。それがおろそかにされていることは大いに気になるし、それをそのまま黙っていることもまた大いに気になる。( 春 )