アーサー・ビナードさんには、2009年に最初の講演会「日本語の海にもぐった私」をお願いして以来、大好きな詩人・菅原克己さんを語った「『ブラザー軒』のある街で、詩人・菅原克己を語る」、さらに震災後には高校生公開授業で「言の葉食堂へようこそ」と題し授業を行っていただくなど、たいへん懇意にしていただいてきました。
今でも覚えているのは、最初の講演の終わりでのこと。突然、演題について《今日のタイトルなんだけど、僕だったらこういうタイトルはつけないよね。「私」という体言止めじゃなくて、例えばもぐってみたら~とか、もぐってみれば~とか、そういうタイトルがいいと思うんだけど・・・》と、最後の最後でさらりとダメ出しをしたのでした。こまって頭を抱えたのは、タイトルを付けた当時の所長の(春)さん。頭を掻きながら、なぜこのようなタイトルにしたのかをまじめに、かつ一生懸命に説明を始めて・・・。その二人のやり取りの可笑しさに、会場はあたたかな笑いに包まれ、その後の質疑応答が、大変なごやかで楽しいものになったことを記憶しています。
そのアーサーが、2月19日に仙台にやってきます。震災後の政治や社会のさまざまな出来事を、彼一流の言葉のセンスと視点からユーモアを交えながら縦横無尽に語ってくれると思います。ぜひご参加ください。(キヨ)