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mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記です。

恐ろしい執着  ~ここまでやるか

 年が改まって早もうすぐ2月。早すぎると感じるのはいつものこと。今年こそは、このコーナーで明るい話題・希望の感じられる話をと考えるのですが、今年1回目の日記も、願いとは反するものになってしまうのが残念。

 明日1月20日からは、トランプ大統領の就任のニュースが朝から晩まで続くことだろう。しかし一方、この日本でもとんでもない話が進んでいる。
 戦争準備法といわれる共謀罪は、すでに反対運動も行われ多くの国民が知るところだ。ところが今月20日に召集される通常国会で、自民党議員立法で提出するという「家庭教育支援法案」が水面下で着々と準備されているようだ。
 どこかで耳にしたことがあると思い調べてみたら、戦時中の1942年、国民を戦争に総動員するため、「戦時家庭教育指導要綱」が発令され、「家庭生活は常に国家活動の源泉」として、子どもの“健全育成”を親に要求。“相互扶助”という名目で「隣組制度」がつくられ、地域住民は各家庭で国家が求める「教育」が徹底されているかを見張り合ったのだ。

 今回準備されている法案の内容は、「保護者が子に社会との関わりを自覚させ、人格形成の基礎を培い、国家と社会の形成者として必要な資質を備えさせる環境を整備する」。
 1942年当時とソックリ。地域住民について、「国と地方公共団体が実施する家庭教育支援に関する施策に協力するよう努める」とあり、さらにそれは「責務」というのだ。
 家庭教育支援というなら、給付型奨学金制度の充実や育児のインフラ整備など子育てしやすい環境を整えるのが政府の仕事であるはず。そういう必要な支援はせず、親に委ねられるべき家庭教育の中身に政府が介入し、国家にとって都合の良い人材育成を親に押し付けている。要するに支援法は国家が家庭教育をコントロールして、国家に都合が悪い人材をできるだけつくり出さないためのもの。家庭教育支援法案と共謀罪は従順な国民づくりのための両輪といえるのではないかと思わざるを得ません。

 表面上は核家族化など家族をめぐる環境変化での公的支援のためというが、真の狙いは国民を“イエスマン”に仕立て上げ、戦争でも何でもできるような体制づくりだ。安倍政権は天皇退位や共謀罪を尻目にコッソリ通そうとしている。これが安倍政権が考える「1億総活躍社会」の本性だ。

 国家と社会の形成者として必要な資質。この文字はまもなく公表される新学習指導要領の基本設計を行った中央教育審議会の「審議のまとめ」で、教育の目的に書かれているキーワードでもあることを考えると危惧するのはボクだけだろうか。ここまでやるのかである。〈 仁 〉