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mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記です。

佐藤忠良さんの「緑の風」に会いに

 明けましておめでとうございます。
 お正月はどう過ごされましたか。家族みんなでゆっくりされましたか、初日の出や初詣に出かけたでしょうか、いやいや1人で静かに迎えたひともいるでしょう。

 正月元旦の朝、よっちゃんと二人、初詣ならぬ台原森林公園詣でに出かけました。いつもの朝なら駅に向かうサラリーマンや通学の高校生などが行き交う道も、この日はしーんとして、町はまだ眠りから目覚めていないようです。1年のうちに、まだこういう日があるんですね。ほっとします。時折すれ違う人と、お互い特別な時間を共有する秘密を確認するかのように、静かに朝のあいさつを交わします。

 お目当ては、佐藤忠良さんの「緑の風」というタイトルの彫像を見ること。仙台市科学館の裏手にある記念広場から台原森林公園に降りていく階段のてっぺんに立っています。もちろん彫像それ自身も素敵なのですが、なぜか私は台原森林公園の自然のなかにある「緑の風」が好きです。それも忠良さんが生きておられたら叱られるかもしれないけれど、彫像の背後からみるその世界が大好きです。人と自然、そして空のずっと向こうの宇宙にまでつながっているような世界の有様が、そこには静かに佇んでいるように感じるのです。いつみても素敵です。私も自然の一部、宇宙の一部、そして一つの生命(いのち)であることを思うのです。今年もよろしくお願いします。( キヨ )

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         きこえてくる
                まど・みちお

      土の中から きこえてくる
      水の中から きこえてくる
      風の中から きこえてくる

      ここに 生まれ出ようとして
      小さな 数かぎりない生命(いのち)たちが
      めいめいの階段を のぼってくる足音が

      ここに 生まれてきさえすれば
      自分が 何であるのかを
      自分の目で 見ることができるのだと
      心はずませて のぼってくる足音が

      いったい だれに きいたのか
      どんな物をでも そのままにうつす
      空のかがみと 水のかがみが
      ここに たしかにあることを
      ここが 宇宙の
      「かがみの間」で あることを

      土の中から きこえてくる
      水の中から きこえてくる
      風の中から きこえてくる

      小さな 数かぎりない生命たちが
      ここへ ここへ ここへと
      いま 近づいてくる足音が