自分のなかで、先月から、月に1回だけ、この欄に書かせてもらおうということにした。
早いもので、前回から1カ月が経ってしまった。自分で決めたことを守るべく今あわててパソコンに向かっている。
自由な時間がたっぷりあると、ついつまらないことを気にしてしまうことが多くなり、そんな自分が嫌になりながら、それが容易に頭から離れなくなり困ることも多い。
たとえば,朝ドラ「トト姉ちゃん」の今週のテーマ「防空演習にいそしむ」の「いそしむ」が、どうも気になってしようがない。
ことばを加えると、「いそしむ」と「防空演習」との結びがスムーズでないのだ。
手元の辞書を5冊ひっくり返す。
・新明解国語辞典(三省堂)―(日課として)はげむ意の雅語的表現。
・日本国語大辞典(小学館)-⑴心をこめて勤め励む。⑵物事を毎日規則的に励み行う。
・広辞苑(岩波書店)-①功があるとする。勤勉であるとして賞する。②つとめ、はげむ。
・類語例解辞典(小学館)-一つの物事に励む意のやや古い言い方。多く、日課としてその物事をせっせとやる場合に使う。
ここであとは止めたのだが、どうやら私がなぜすっきりしなかったかが私にはわかってホッとした。解説はとくに必要はないだろう。
「防空演習にいそしむ」は今週のことだが、6月24日から今もすかっとさせてくれないのが、イギリスの「EU離脱」問題だ。欧州連合ができたときには、よくわからぬままだったが、私は、その壮大な構想に拍手喝采したものだった。それがなんとイギリスで崩れたのだ。日が経つにつれて、この根にある考えが世界中の人間の心に巣食ってふくらんできていることに気づき、とても憂鬱になっている。
離脱を報じた6月25日の朝日新聞の「折々のことば」は「ひとは自分が思っているほど、自分のために生きているわけではない。」であり、「天声人語」のなかに、「築きあげることは、多年にわたる長く骨の折れる仕事である。破壊することは、たった1日の思慮のない行為で足りる。」というチャーチルの言葉が載っていた。
月が越えても、この人間にいつの間にか巣食った嫌な心のガンが気になってしょうがない。(春)