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mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記です。

7月14日

 昨日は、センター、月例哲学学習会。

 その席で、講師の太田直道さんが、「現代と思想」第17号に書いた文化時評「ドン・キホーテ症候群」のコピーをいただいた。1989年3月とあるから26年前のものである。

 学習会の資料ではない。「ものを探していたら出て来たので、それをコピーしたものです。もしよろしかったら読んでみてください。」と太田さんは話すだけだった。

 今日、読んだ。おもしろかった。取り上げたのがドン・キホーテということもあろうが、哲学を講義するときの太田調と違っていて、知らなかったものを発見した喜びが読みながら湧いてきてうれしかった。

 その調子に変化が起きたわけではないが、結びの数行で大いにドキッとさせられてしまった。それをそのまま抜いて紹介する。 

「たえず熱情の目まいの中に生きるように努めよ。情熱につき動かされた人間のみが、真に持続的で実り豊かな事業を遂行するのだ。・・・もっとも愚かな人間とは一生のあいだ愚かなことをやりもしなければ言いもしない者のことである」(ウナムーノ著より)

 彼とともにわれわれもドン・キホーテの次のことばを共有したいものである。「わしはわしの運命の作者だったが、必要な慎重さが欠けていたのじゃ」「実を言えば、わしが精魂かたむけて達成したものがなんであるか、わしは知らない」。

  私が特にドキッとしたのは、太田さんが抜いて締めにしたドン・キホーテのことばであり、今安保法制に血道をあげている首相がすぐ浮かんだからである。

 太田さんはさりげなくコピーを配ったのだったが、禍根を残さないために頑張ろうというわれわれへのメッセージだったのではないか。古典は少しも古びない。その評論もまた、いつまでも今を語るものなのだ。( 春 )