mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

6月1日

 暦は今日から6月。5月が連日夏を思わせる猛暑つづきだったので、今日から6月に入るということがスッと体にこない。今日も暑くなる。

 月初め必ず行うことが私にある。やや大げさなもの言いをしているが、なんのことはない、玄関に掛けてある額の絵の1枚を取り替えるこというさもないことだ。

 ザオ・ウーキーの絵だ(と言っても写真だが・・・)。

2004年11月、ブリジストン美術館の「ザオ・ウーキー展」で買った、絵を月ごとに配置してその日付は絵の邪魔をしないように端に薄く小さく置いたカレンダー。いかにも額に入れて飾ってもらえば・・・と言っているように思えた。大いに気に入り、その日の帰り仙台駅からA画装に直行、額をつくってもらったのだった。

2005年1月から玄関に掛け、毎月1日、朝食前に取り替えつづけて今年11年めになる。この仕事(?)が(さあ、今日から○月だ)と月の替わったことを自分に意識させ、これも大げさだが気持ちをシャンとさせてもらってきている。

 6月は「エメラルド・グリーン」。ちなみに今朝までの5月は「アンリ・マティスに捧ぐ」だった。 

 ザオ・ウーキーのはす向かいには佐藤忠良さんの「帽子」のスケッチの額がある。これはコピーだが300限定刷りの「素描集 佐藤忠良」21枚のなかの1枚。現代美術社の太田弘が忠良さんのために彼がつくりたいようにつくったもの。

 忠良さんは、目録の「はじめに」の最後にこんなことを書いている。

 私にとって、自然と対決したとき、自然というものは自分に都合のいい形を絶対にしてくれてはいないものだということを、いつも思い知らされる。1枚の紙の上で、自然にあしらわれながら対象を追いかけようとするたどたどしい真実味に、人は興味を示すのだろう。

 そんなことをいいながら、今度こういうものをお見せしようとするのだから気障な言い訳にもなりかねない。作者の言葉は一瞬の間もおかずに自分の作品に返ってくることを私も知っているつもりである。

 今度もまた、多くの中からの選択は、現代美術社の皆さんにお任せすることにした。

 忠良さんにも太田弘にもたいへんお世話になった。目にするたびにいろんなことを思い出す。おふたりとももういない・・・。

 太田弘とは2人での仕事を約束していたのであったが。