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mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記です。

3月24日

2015年3月24日

 テレビのニュースで、原発事故によって故郷を離れて廃校間借り生活をしている福島・大熊小学校の卒業式を伝えていた。日が経つにつれて、向うが見えない生活をしているたくさんの避難者を考えると痛ましさが増していく。

 テレビを見ながら、すぐ「歌集 青白き光」(佐藤祐禎著)が浮かび、急いで取り出してまた読んだ。もしかすると、以前にこの日記で取り上げたような気もするが、書かずにはおれないので、いくつか紹介する。しつこく繰り返すことがいま大事とも思う。

 表紙のみかえしに次の5首が並ぶ。

  いつ爆ぜむ青白き光を深く秘め原子炉六基の白亜列なる

  小火災など告げられず原発の事故にも怠惰になりゆく町か

  原発が来りて富めるわが町に心貧しくなりたる多し

  原発に勤むる一人また逝きぬ病名今度も不明なるまま

  原発に怒りを持たぬ町に住む主張さへなき若者見つつ

 佐藤さんは農業を営む歌人。この歌集に収められている歌は昭和58年から始まり、歌集名は第1首からとられていて、平成14年の作。この小さい歌集はこの歌で終わる。

ちなみに、第2首は昭和63年。このころから原発を扱った歌が並ぶ。第3首は平成2年。第4首は平成4年。第5首は平成5年。

歌集の最後になる平成14年からいくつか取り上げてみる。

  原発の商業主義も極まるか傷痕秘してつづくる稼働

  ひび割れを隠しつづくる果ての惨思ひ見ざるや飼はるる社員

  法令違反と知りつつ告発に踏み切れぬ保安院は同族と認識あらた

 これら平成14年の歌を読むと、3・11の原発事故は自然災害ではなく、まちがいなく「人災」だと思った。

 佐藤さんの歌から私たちは、原発問題を考えさせられるだけでなくその生き方をも本気で学びたいものだ。