17日土曜日、国立博物館にキトラ古墳を観に行った。18日が最終日であり、数日前には入場者が多いので最後の3日間は閉館時間を延ばすと新聞にあったりしたので、混むことは覚悟のうえだったが、上野駅でチケットを買うときに、「150分待ちで、入場後古墳を観るまで30分はかかるでしょうが、どうしますか」と親切に言われる。それでもわざわざ来たのだからと迷わずチケットを求める。
博物館内に入ると、まさに長蛇の列。最後尾は見えない。後尾を示す案内が目に入ったのは平成館の入口前方を過ぎたところ。なんとも長い。以前、正倉院展を観に来たときも3時間待ちで、その時は博物館の外をとぐろをまくように並んでいた。若かったせいもあろうが、これはすぐに最後尾に入り行列の一員になったが、今回はその元気はまったくなく、素直に諦め、平成館の「栄西と建仁寺」展に入館する。仕方なしに入ったのだったが、建仁寺は行ったことがなかったことがないので、「風神雷神図屏風」や「雲龍図」などなど、展示物の一つひとつに驚く。絵図を観ていると、その絵の前で絵筆をふるう俵屋宗達や海北友松など、もちろん観たことがあるはずもない絵師の姿まで浮かんでくるようだった。
大いに満足して外に出ると、キトラの行列の後尾の場所は変わらない。少しもうらめしい気を起こすことなく博物館の地を出る。 そのうち、建仁寺に行ってみようと思う。 若冲も2点展示されており、仙台の楽しかった若冲展を思いだした。東京の混雑はやはり異様だ。美術館・博物館ともにほとんどの場合ゆっくり観られる仙台はいいなどと思ったことも初めてだ。