昨日13日、朝日歌壇の高野公彦選のなかに、
掲示板私の受験番号が私を見つけて飛びついてくる 松田梨子
があり、(あ、高校に受かったんだ、よかった!)と、面識のない人なのにとてもうれしく思った。「私を見つけて飛びついてくる」なんて、ストレートで気持ちがいい。 梨子さんは、妹のわこさんとともに朝日歌壇の常連だ。
日を書きこまなかったので不確かだが3・4週前には、同じ歌壇の永田和宏選に、
ぶた汁が私の体のすみずみにとどいて出かける高校受験 松田梨子
ねえちゃんはいつものようにニコニコとゆっくり食べる受験の朝も
松田わこ
受験生見えなくなるまで見送ってなぜだろうハラハラ泣けてくる
松田由紀子
の3首が並んでいる。
撰者・永田は「松田梨子さんの受験を、松田家3人の家族がそれぞれの立場から歌う」と評している。発表の日のことは本人の句だけの掲載だが、この日の家族の様子は受験の朝の句と一緒にすることで十分過ぎるくらい見えてくる。
別に短歌でなければならないということではない。どんな方法をとろうと、家族がその時々の思いを出し合い、交換できるということは、なんともうらやましい。
思いは飛躍し過ぎかもしれないが、職員室なども松田家のようだったら、子どもたちはどんなに幸せだろうと・・・。もちろん、いろんな職場も。