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mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記です。

3月27日

 昨日、Mさんたちの話を聞くために戸倉をたずねた。

 天気予報は夕方からの雨で、陽は出ていなかったが、気温は前日同様高かった。

Mさんたちは、海辺の番屋で待っていてくれた。

 これからも漁業をつづけていこうという人は半数になるかどうか、というところらしい。今年は、舟をはじめ漁具がそろわないので共同で仕事をやっている、なにしろ、舟は1000万でつくれたものが、今は2000万もするのだという。聞きながら、これは戸倉固有の問題ではなく、被災地全体の問題になる。個人の力で乗り切るには容易でないと思う。ここを乗り切れなければ金のある他者の入る特区に頼るしかないということにもなってくるのだろう。

話のなかでMさんは、「今、海辺には、ナマコがべったりとついているんです。人間が住んでいないので海がたちまちきれいになったためです。きれいになると、海の生物はみな勢いよく育ちます」と言っていた。

 まだ仮設住まいはつづき、まる3年を過ぎるのに海に近い一帯はほとんど動くことなく、住宅も建っていない。これでは、海は汚れるわけはない。

 話が済んで船着き場に立ってのぞくと、海はきれいに透き通って藻の揺れ動くのが見えた。

 舟に結わえていた籠にはホヤが入っていた。「これは2年目のものです」とMさん。手早く殻をむいて海で洗ったものを食べさせていただいた。もちろん私にとっては今年の初物であり、海でとったものをその場でまるごと食べるのは久しぶりだった。海の香りと塩味はなんとも言えなかった。

 「戸倉には昔はすばらしい人がたくさんいたのです。学校と地域を結んで考えなければならない、それは、『人』が問題だからです」というのがMさんの一番言いたかったことになると思った。