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mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記です。

5月24日

 13日、「図書」(岩波)に載っている赤川次郎連載中の一文「~墓からは、忘れかけていた「幽霊」が這い出て来る。文部省が作った『教科書でない教科書』〈心のノート〉である。私は〈心のノート〉を批判する小説『教室の正義』を書いた。『心まで国に支配させてはならない』という思いは変わらない。」について触れた。

 実は私は赤川さんの小説は読んだことがない。しかし、購読している「図書」では今届くと最初に開くのは赤川さんのエッセーなのだ。その5月号では、〈心のノート〉についての「心まで国に支配させてはならない」にドキッとさせられた。決して激したもの言いではないのに、確固とした信念がジワーッと体内にしみわたる。

 赤川さんって、どんな生き方をしている作家なんだろうという興味がわき、古本屋で「三毛猫ホームズの青春ノート」(岩波ブックレット38)を見つけて読んだ。30代までの自分を綴ったものだ。そこに書かれている赤川さん歩みから、「心まで国に支配されてはならない」と言ったことに十分納得がいった。同時に、現在の多くの人はほとんど口にしないだろうことにも考えがおよび、学校の在り方がこれまで以上に心配になった。青春ノートは結びに近いところで、

   やれやれくたびれた。創作でなく、自分のことを書くというのはとても気疲れするものです。僕の中には、いつももう一人の僕がいて、何だか偉そうなことを書こうとすると、「そんなこと、言える柄か?」と冷やかすので、たいへんやりにくいのです。

と書いていた。いい生き方をしている方だとうらやましくなった。

 ついでにという言い方は適当でないが、岩波ブックレットの初期の一覧を見た。№1は1982年で「反核」、2「核戦略の曲がり角」、3「日本経済の実像とゆくえ」、4「広島からオイロシ

マへ」、5「女たちは核兵器をゆるさない」とつづく。

 刊行のことばは、「今日、われわれをとりまく状況は急激な変化を重ね、しかも時代の潮流は決して良い方向にむかおうとはしていません。」と始まる。それから30年経つ。ブックレットは出つづけている。世の中は、良い方向に向かっているとは言えないどころか、悪しきものだけがやたら目につく。