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mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記です。

3月7日

 今朝のバスは混んでいた。

 始発から乗る私はいつも前の座席にすわっている。

 バスが晩翠通りの交差点で右折するために信号待ちをしていたとき、後ろでドタリという音がして急に車内が騒ぎ出した。振り向いて様子をうかがうと、立っていた乗客のひとりが急に倒れて乗車口のステップに頭を打ったらしい。すぐ近くの人が座席をあけ座らせたようだ。年輩の男性の方が「頭が痛くない!」などの声をかけつづける。

 信号が変わりバスは停留所で止まった。若い男の人が運転手に説明に来た。後方では「救急車を呼んだ方がいい」「頭は痛くないか」などの声が飛び交っている。運転手がすぐ動かないと見るや若い男性は急いで携帯を取り出し救急車を呼んだ。「私は乗客です」と言い、名前も告げていた。出勤時だったので、救急車を待つ間、次の一番町下車予定の乗客はほとんど下りた。救急車を手配した若い男性も何事もなかったように降りて行った。運転手に「よろしくね」と言って降りて行く人もいた。

 車内に残った乗客が少なくなったので、座席に座りぐったりとしている若い男性の姿が見えた。目は半開きで顔は蒼白、体の力が抜けきっているようだ。少し吐いたのだろう、ジャンパーに汚れが見えた。近くの女の方がテッシュでその汚れをふき取ってやっていた。乗客を降ろし終えた運転手もバケツと雑巾をもってそばに寄ってきた。

 救急車が来た。別の女の方が、散らばっていた持ち物をリュックに入れてやった。もうひとりの女の人がハンカチを手にもたせた。

救急隊員が入ってきた。若い男性は、弱々しい声だったが問いには答え、抱えられるようにしながらバスを降りた。

残り少ない客を乗せてバスは出発した。私は終始傍観者でしかなかったが、それぞれの人が見せた動きや心遣いはとても自然で気持ち良く、たくさんの優しい人たちと一緒にバスに乗り合わせていたことがなんともうれしかった。

救急車で運ばれたあの男性に何事もなければよいのだが・・・。