mkbkc’s diary

みやぎ教育文化研究センターの日記・ブログです。

12月6日

 今週は毎日、1月20日の公開授業「新しい世界の発見 新しい自分の発見」への高校生募集のための仕事。年1回のセンター企画「高校生公募公開授業」は、受講者高校生集めに四苦八苦する。今年は「数学」と決めた時から例年にも増して苦労するだろうと覚悟はしていたのだが・・・。

 授業をお願いしたのは仲本正夫さん。仲本さんの数学の実践書「学力への挑戦」の初版は79年。私はだいぶ遅れて著書に接する。この時の自分を忘れない。こんなにも教えることに本気な教師が・・、こんなにも創造的な実践者が・・と、口先だけで過ごしていた自分のなんと恥ずかしかったことか。

大きく書き換えられ「新・学力への挑戦」の書名で2005年にかもがわ出版から再刊。

その「はじめに」で仲本さんは、高校3年上田町子の「せめて30はとりたかったよ。15点だったなんてがっかり」というテストの感想に衝撃を受け、「どんな生徒にも、わかりたい、できるようになりたいという根源的な願いがあるのだということに気づかせるもので、まさしく私の教師開眼の瞬間であった」と書き、「その上田は、卒業試験で100点をとるまで飛躍し、否定的に見えた一人の生徒の劇的な変化は、私の生徒観を大きく変え、その後の教師人生に決定的な影響を与えるものとなった。」とつづける。本書はその上田との1年間と仲本さんの授業づくりの歩みが中心に据えられ、最後に、「数学でわかる本当のよろこびをつかみ、大好きになっていった多くの若者たちは、同時に、人間とその文化のすばらしさを発見しつつ、自立への道を歩み始めていった」と「はじめに」を結ぶ。

このような実践家の授業を企画できることを私は誇りにもつ。短時間であっても仲本さんの数学を多くの高校生に受講してほしいと願う。まちがいなくそれぞれの高校生の中に何かが起こるにちがいない。毎日、わくわくしながら、高校生集めに必死になっている。

先日仲本さんからいただいたメールには、「12月に入ったら授業の準備に入ります」と書いてあった。