その向上を「小中とも、少人数教室や習熟度別に分けたきめ細かい指導などが効果を挙げている」と分析し、「担当室長が、自立心や道徳心、学習への積極性が醸成されている。震災で得た経験が反映されたと話した」と書いていた。
関係者は喜んでいるし、多くの人も喜んでいるのだろうが、この記事を読んで私は素直に喜ぶ気分にならなかったのはどうしてなのだろうか・・・。
どうやら私の中に、かつて読んだ「君の可能性」で斎藤喜博さんが書いていた「テストで能力をきめられてはたまらない」と同様の考えが頭の中に長年巣くっていることによるような気がするのだ。
ましてや、「道徳心や学習意欲が向上した」と言い切っているのには、なんともコトバがない。それは「生活・学習状況調査」から導き出したものらしい。「道徳心の向上」なんてことは想像の域を超えて理解不能だ。私の中では容易に使えるコトバでないからかもしれない。ましてや、「震災で得た経験が反映された」などとなるとますます混乱状態だ。
「少人数教室や習熟度別指導」も成果の理由にあげられている。こういうところだけが強調されると、「学校って何だろう」「学校教育の目指すものってなんだろう」との疑問がますますふくらんでくる。 この結果発表をただ喜んで終わりにすることなく、これを機に教育の根の部分をみんなでじっくり考え合いたいと強く思う。